つまり、居酒屋の激安競争が激化する中でも、新時代が店舗を増やしていけるのは、外食業界ではおなじみの「人気店にあやかって模倣した店」の乱立を防ぎ、競合と一線を画すポジションを守っているからではないのか。
そのように聞くと「うちのオリジナルメニューもパクリ対策しなくちゃ」と思った外食関係者も多いだろうが、知的財産権を保有するだけでは、なかなか防げないものもある。
それは「露骨に模倣はしていないけれど、なんとなくうっすらと似ている」という商法だ。
例えば、2021年11月のオープン後、SNSで注目を集め、着々と店舗数を増やしている新感覚居酒屋「ひねり蛇口ハイ 大衆酒泉テルマエ」がある。
店名からも分かるように「銭湯」をコンセプトとした居酒屋で、最大の特徴は、店内にずらりと並んだ蛇口である。これをひねると、さまざまな酒や割り材が出てくる「セルフ式飲み放題」だ。
新時代とは似ても似つかない、オリジナリティーのある激安居酒屋である。名物は「テルマエ串」(税別70円)。20本以上注文すると、風呂桶に串を並べた「桶盛り」というインパクトのあるビジュアルで提供される。「伝串50円」「伝串ピラミッド」とはまったく似ていないといえば似ていないし、うっすら寄せていると言われれば、そんな気もする。かなり「ビミョー」なラインなのだ。
背中を追う競合チェーンがこういう方向性で攻めてきた場合、いくら知的財産権を保有していてもあまり意味はない。「なんか、うっすらとウチのまねしてません?」と指摘しても、「名物の鶏皮串を編み出して、それをインパクトのある形で盛り付けるなんて、みんなやっているじゃないですか」と言われてしまえば、それ以上は追及しにくい。
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