こうした深掘り質問をより効果的に機能させるには、採用面接の基本である「構造化面接」の設計が不可欠だ。
構造化面接とは、面接官が思いつきで質問するのではなく、職務に必要な能力に基づいて「質問項目」や「評価基準」をあらかじめ定め、全ての応募者に同じ条件で確認していく手法である。採用手法の妥当性を検証した2022年の研究でも、構造化面接は入社後のパフォーマンスを予測する力が最も高いとされている。
「AI対策としての深掘り」をその場の即興で行うと、面接官ごとに評価基準がブレてしまう。あらかじめ「どのような観点でどこまで深掘りするか」を評価シートとして構造化しておくことで、AIによる偽装を見抜きやすくなると同時に、公正で精度の高い採用判断が可能になる。もともと有効とされてきた構造化面接を、基本通り行うことの重要性が増しているといえるだろう。
もちろん、悪質な「なりすまし」は防ぐ必要があるが、業務効率化を見据えた適切なAI利用まで一律に排除する必要はない。むしろ、「応募者がAIに何をどこまでさせたのか」を深掘りすること自体が、その人の業務スキルやリテラシーを知る貴重な材料になる。
AIを使う応募者をむやみに恐れるのではなく、その活用度合いまで正面から見極められるだけのリテラシーと面接の設計が、今の人事には求められている。
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