1人1社制そのものには、生徒のセーフティーネット(安全網)としての役割もあり、地域ごとの違いを残しながら、制度として続く可能性が高いと新田氏は分析する。
ルールが大きく変わらなくても、情報の届き方は変わり始めている。2027年3月卒からは、厚生労働省の求人閲覧サービス「高卒就職情報WEB提供サービス」を、生徒本人が自宅のPCやスマートフォンから利用できるようになった。保護者と一緒に求人を見ながら、応募先を検討することもできる。
これまで届く求人が少なかった学校の生徒も、ほかの学校の生徒と同じように公開求人を探せるようになった。保護者と相談しながら早めに就職活動を始めたり、県外の求人に目を向けたりする生徒も出てきたという。新田氏は、求人情報を事前に詳しく知る機会が増えれば、入社後に「思っていた仕事と違った」といったミスマッチによる離職を減らせるとみる。
リクルートワークス研究所の調査(2020年)でも、就職活動時に得た情報が「十分」だった高卒就職者のうち、最初の会社を10点満点で0点と評価した人は11.9%で、「不十分」だった人の47.9%を大きく下回った。
高校生が複数の求人を見比べるようになれば、知名度や学校とのつながりがなくても、仕事や育成の内容で選ばれる機会が生まれる。学校とのつながりに頼らず、仕事や職場の実像を応募前にどこまで自ら伝えられるか。売り手市場の高卒採用では、情報発信のあり方が企業の採用を左右しそうだ。
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