返礼品がないなら作ればいい 泉佐野市が「65億円」を集めてヤッホーブルーイングを呼び込めた理由:地域経済の底力(2/5 ページ)

» 2026年09月30日 08時00分 公開
[伏見学,ITmedia]

ないなら、作ろう

 泉佐野市がふるさと納税3.0を考案したのは2020年10月だ。そこには「日本一奪還」という目標があった。

 泉佐野市は2019年6月、返礼品を巡る総務省との対立の末、ふるさと納税制度から除外された。最高裁で逆転勝訴し、2020年7月に制度に復帰したものの、その間に地場産品規制は厳しくなっていた。

 千代松大耕市長はふるさと納税3.0が生まれた背景をこう振り返る。

 「泉佐野市にも泉州タオルなど豊富な地場産品があります。ただ、全国的に見て人気のある返礼品が多いかというと、そうではありませんでした。ないなら作ろうと考えてスタートしたのがふるさと納税3.0です」

泉佐野市の千代松大耕市長(筆者撮影)

 同市担当者によれば、制度復帰直後のふるさと納税の受け入れ額はピーク時の70分の1ほどだった。何もしなければ年間7億円程度となる見込みだったが、ふるさと納税3.0の仕組みを導入した結果、2020年度は約22億5000万円で着地した。以来、食品や家電などの工場が新設され、全国の人気返礼品と競えるラインアップが少しずつそろっていった。また、元々あった地場産品への引き合いも強まり、2025年度の受け入れ額は約230億円と、6年ぶりに全国トップへと返り咲いたのである。

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