ドンキ「999円」、イオン「1000円」のジーンズ、やっぱり売れた? 格安アパレルの戦略(2/5 ページ)

» 2026年09月30日 12時22分 公開
[小林香織,ITmedia]

約17年ぶりの「格安ジーンズ」販売の狙い

 2009年にスタートしたPPIHのPB「情熱価格」は、現在では国内売上高の26.2%を占め、食品から雑貨、アパレル、家電まで、さまざまな商品を展開している。

 中でも、食品よりも粗利率の高い「非食品」の品ぞろえを増やすことで、ディスカウントストア事業全体の粗利率を27.8%の水準に維持している。さらなる利益率の向上に向け、アパレルも強化領域の一つと位置付けているそうだ。

 2021年には「情熱価格」のリニューアルを行い、安さだけでなく、「驚き」や「ワクワク・ドキドキ」も提供するという方針を定めた。アパレル領域では、新品のような黒さが長く続く「色褪せ知らずの黒」シリーズや温度変化に対応しやすい「カメレオンインナー」など、“一点突破”のコンセプトで「ドンキらしさ」を追求している。

 そんな中、2026年2月に「999ジーンズ」を発売。PPIHでは、2009年にも690円の格安メンズジーンズを販売し、5日間で約3万本を完売して話題を呼んだ。しかし、それ以降、ドンキのPBではジーンズを展開していない。なぜ、約17年ぶりに格安ジーンズの販売に至ったのか。

ドンキのPBでは、約17年ぶりに「格安ジーンズ」を販売した(PPIH提供)

 「当社では、2016年頃に機能系無地商材を扱うメンズ向けブランド『RESTORATION(レストレーション)』を本格化させ、ファッション領域に挑戦しました。しかし、狙っていた結果が出せず、方針転換して肌着やルームウェアを主軸にしてきた経緯があります。その結果、ディスカウント業態におけるアパレル部門(時計・ファッション用品)は、前年比10%増と堅調に推移しています。

 そんな中、価格インパクトのある商品で再びファッション領域にトライしようと『ジーンズ』に着目。Z・α世代をメインターゲットに据え、“ついで買い”を促し、ドンキのアパレル全体の認知度や親しみやすさを高めたいと考えました」(PPIH アパレル製品開発責任者 大竹光洋氏)

 開発にあたっては、「1099円という価格設定」や「ターゲット、ラインアップの絞り込み」において議論があったという。結果として、学生でも“お小遣いで買える”手頃な価格をフックにして、ドンキで衣料品を買ったことがない顧客や若年層に対し、「ドンキで服を買う」という選択肢を広げることを狙った。

 大竹氏は、「『これで1099円なら満足だ』と感じていただける、真に価値ある一着を目指した」と話す。どんな工夫を盛り込み、どのように圧倒的な低価格を実現したのか。

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