エントリーユーザーを中心に人気を集めるキヤノンのデジタル一眼レフ機「EOS Kiss」シリーズ。その最新作として「EOS Kiss X4」が登場した。昨年発売した「EOS Kiss X3」(レビュー:フルHD動画もOK 充実のエントリーデジ一眼、キヤノン「EOS Kiss X3」)の上位機種にあたり、撮像素子を高画素化したほか、液晶モニタのワイド化や動画機能の強化、バッテリの大容量化などを図っている。
ボディは、これまでのシリーズと同じく曲面を多用した丸っこいデザインで、外装には樹脂素材を採用する。前作EOS Kiss X3に比べた場合、本体重量は5グラム軽くなったが、幅と高さ、奥行きは変わらず、デザイン上の変更点もそれほど多くない。新旧2台を並べて気付くのは、全体の丸みがさらに増したことと、モードダイヤルの色が銀から黒になったこと、製品名のプレートの位置が移動したこと、背面の操作ボタンの形状が変わったことなどだ(写真で見る1800万画素エントリー、「EOS Kiss X4」)。
液晶モニタは、EOS Kiss X3の3型/約92万画素から、EOS Kiss X4では3型ワイド/約104万画素へと精細化した。画面比率は、従来の4:3から撮影画像と同じ3:2へとワイド化し、画像をより大きく表示できるようになった。液晶の視認性は屋外/屋内ともに良好だ。
ボディ上部の電源スイッチを入れると、ほぼ瞬時に起動し、液晶モニタに各種の撮影情報が表示される。ファインダーは、EOS Kiss X3と同じく視野率約95%、倍率約0.87倍のペンタダハミラー式を装備する。エントリークラスのデジタル一眼としては標準的な仕様で、見え方に特に問題はない。
AFの測距点は9点に対応し、背面のAFフレームボタンを押してから、十字キーの操作でAFフレームの任意選択ができる。AFスピードは軽快で、動きのある被写体や多少薄暗いシーンでも大きなストレスなく、てきぱきとピントが合う。キットに付属する標準ズーム「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS」や、高倍率ズーム「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS」は超音波モーター「USM」非対応ながら、AF駆動音は特にうるさくは感じない。
シャッターボタンを押した際の反応や、金属的でシャープなシャッター音についても、安っぽい印象はない。秒間3.7コマの連写性能も含め、操作レスポンスは全般的に優秀といっていい。
ただし、連続撮影可能枚数には不満が残る。JPEGでは問題ないものの、RAWやRAW+JPEGを選ぶと、連続して数枚撮った時点でバッファメモリがフルになり、連写が途切れてしまう。スペック上の連続撮影可能枚数は、JPEGラージ/ファインで約34枚(EOS Kiss X3は約170枚)、RAWで約6枚(EOS Kiss X3は約9枚)、RAW+JPEGで約3枚(EOS Kiss X3は約4枚)と少ない。連写を多用するシーンでは、RAWやRAW+JPEGではなく、JPEGを利用したほうが確実だろう。
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