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秋の巡航を“自慢”するなら、フルハイビジョンの「Xacti DMX-CA100」がいいみたい勝手に連載!「海で使うIT」(1/4 ページ)

» 2010年09月17日 19時06分 公開
[長浜和也,ITmedia]
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きれいな海を堪能するなら、きれいな動画でどうが、いや、どうだ!

 一昔前、それこそ昭和の時代までさかのぼるまでもなく、10年前まで、船上で写真を撮るという行為は、一種の冒険に近かった。高級な銀塩一眼レフはもとより、コンパクトカメラやレンズ付きフィルムの多くは「防水機能」を持ち合わせていなかった。高級一眼レフの中には、生活防水程度を有していたモデルもあったが、外洋でザブンとのしかかってくるような波に耐えることはできず、そのためか、洋上を航行するヨットから撮影した写真というものは、プロフェッショナルを除けばわずかだったように思う。

 しかし、その状況は安価で扱いやすい防水防じんタイプのデジタルカメラの登場でかなり改善された。アマチュアカメラマンでも海と空の青がきれいに鮮やかに撮影できるシーンセレクト機能を実装し、ザブンと波をかぶっても塩水まみれの手で操作してもカメラを安心して扱えるようになったおかげで、ヨット乗りのブログやTwitterは、洋上で撮影した画像でにぎわっている(手軽に撮れるおかげで、「ちょっとこれはまずいんじゃない」という“一般女性の素顔大公開画像”も、“うかつな船長”のせいであふれてしまっているが)。

 今や、画像が載せられるのは当たり前、というわけで、最近では、レースだろうが、ブログのアクセスランキングだろうが「人より順位が上じゃなくちゃ、いやっ!」というヨット乗りが“洋上動画”に取り組んでいる。もともと、海は波やうねりなど、常にうごめいているので、静止画より動画のほうが雰囲気が伝えやすい。

 洋上で動画を撮影する環境も、この数年で急速に改善されている。従来、防水防じんタイプのコンパクトカメラにも動画撮影機能は実装されていたが、解像度が低く、ビデオカメラに比べるといまひとつだった。しかし、今回のレビューでも取り上げるXactiシリーズなど、HD動画が使えるコンパクトなモデルが複数登場したことで、洋上で撮影できる動画の画質も格段に向上した。

 Xactiの防水防じんビデオカメラには、横持ちタイプの「DMX-WH1」と「DMX-WH1E」、そして、ガングリップタイプの「DMX-CA9」、そして今回の主役である「DMX-CA100」がそろっている。特に低価格なガングリップタイプの防水防じんタイプのビデオカメラでは、DMX-CA100が登場するまでDMX-CA9が唯一の選択肢だったこともあり、ヨット乗りの多くがこのビデオカメラを所有していたという、非常に狭い領域ながら、ベストセラーカメラとして認識されていた。

というわけで、2010年5月に登場した最新の“ガングリップ”防水防じんビデオカメラ「Xacti DMX-CA100」(写真=左)。カラーバリエーションは、このイエローのほかにブラックとピンクが用意されている。2010年9月中旬の時点で実売価格は2万8000円をわずかに切る(写真=右)

SDメモリーカードはバッテリーを外して挿入することになる。ただ、DMX-CA100は録画時間よりバッテリーが先になくなるので、実際の運用で不便を感じることはない(写真=左)。DMX-CA9では本体下部にストラップ代わりの雑索を通せたが、DMX-CA100ではこのようなことはできなくなった。船乗りとしてはちょっと残念(写真=右)

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