提供が開始されたNEX-3/5用新ファームウェアは、適用することで背面ソフトキーカスタマイズなどで操作性の向上を図ることができる。そして、もうひとつの大きなトピックが、マウントアダプター「LA-EA1」利用時のAマウントレンズのAF駆動だ。操作編に引き続き、今回はこちらを確認する。
NEX-3/5にマウントアダプター「LA-EA1」を組み合わせ、AマウントレンズのAF駆動を行う際には、カメラ本体のファームウェアと同時に、LA-EA1のファームウェアバージョンも最新の「Ver.02」へアップデートしてやる必要がある。
手順そのものはボディのファームウェアアップデートとほぼ同じ手順なので割愛するが(こちらを参照のこと)、すべてのAマウントレンズがAF駆動可能となる訳ではないことだけは注意しておこう。Aマウントレンズのうち、SAM(スムーズAFモーター)/SSM(超音波モーター)を搭載した製品のみが対応しており、現時点では下の14本が対応レンズとして挙げられている。
ひと言で「AF動作可能」といってもNEX-3/5には、シングル(AF-S)/コンティニュアスと2つのAFモードを備えており、LA-EA1装着時に利用できるのはシングルのみ。なおかつ、「Aマウントレンズ装着時のオートフォーカスは、Eマウントレンズ装着時より遅くなります(約2〜7秒)」とファームウェアダウンロード時に入手できる資料に記載されていることから、AマウントレンズのAF撮影は、基本的に動きの激しい被写体の撮影には適さないと言える。
ただ、ある程度の制約が存在するのは、致し方ないところだろう。SAMを搭載した単焦点レンズ「DT50mm F1.8 SAM [SAL50F18]」を装着し、どの程度、快適なAF撮影ができのだろうか。
撮影モード「おまかせオート」の状態でシャッターを半押しすると、構図や被写体との距離によって左右されるが、フレーム内のどこへ合焦点を持っていくかに時間がかかることもあり、半押しから合焦までの時間は3〜5秒程度はかかる印象を受けた。ただ、AFが利用できるとはいえテンポよく撮影できるとはいいにくい。
ただ、撮影モードをP/A/S/Mに切り替え、AFエリアをマルチ以外(中央重点あるいはフレシキブルスポット)とすれば、ピントリングの挙動に変化はないものの、コントラストAFによる合焦点の選定に迷いがなくなるせいか、多少なりともスピードアップできたように感じる。ただ、いずれにしても風景や静物ならばとにかく、動き回る子どもやペットを撮るのは厳しい。
NEX-5&LA-EA1/AマウントレンズのAF動作について、SAL50F18を例に検証してみた。専用のEマウントレンズに比べると確かに辛口の評価となってしまうが、それでも新ファームウェア&LA-EA1によって、AF&AEの利用できるレンズのバリエーションが大幅に拡大することは素直に歓迎したい(AEについてはファームアップ前から対応している)。
NEX-3/5はバリアングル液晶を搭載しているため、ロー/ハイアングルでの撮影がしやすいカメラだが、ロー/ハイアングル撮影時はその特性上、ピントリングに手をかけにくい構え方になってしまうことが多い。そうした際に、AFは強い味方になる。LA-EA1の価格は2万1000円だが、Aマウントレンズを既に所有しており、ロー/ハイアングルでの撮影機会が多いのならば、用意しておくとよりNEX-3/5での撮影が楽しくなることは間違いない。
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