今年(2011年)は例年より早く梅雨入りしそうで、だったらはやく梅雨が明けてくれるといいのだが、こればかりはよく分からない。そんな梅雨時は家の中でモノの写真でも撮ってみよう、という感じで、お手軽家庭内ブツ撮りの話。
デジタル一眼で小物を撮るときのポイントは2つ。
ひとつは広角より望遠を使うこと。
コンパクトデジカメでは広角の方が近寄って撮影できるので(マクロモード)、つい広角側でぐぐっと寄って撮りがちだが、一眼の世界は基本的に、広角でも望遠でも撮影できる最短距離はさして変わらない(これはレンズによるけれども、たいていはそうだ)。
よって、ズームレンズなら望遠側の方が大きく撮れるのだ。
もうひとつ、モノのカタチは広角より望遠の方がきれいに出る。広角だと遠近が強調されてしまい、ゆがんで写りがち。
ついでにいえば、広角だと背景が広く写るので、室内では「余計なものが映り込みやすい」のである。これはよくない(上の右写真を拡大してほしい)。
2番目のポイントは「絞り」。
デジタル一眼はコンパクトデジカメに比べると圧倒的にピントの合う範囲が狭い。特に近距離かつ望遠で撮るとなると、ピントを合わせた箇所だけがくっきり写る。
印象的な部分を際だたせたいとか、カッコよく撮りたいときはわざとそういう撮り方をしてもいいけど、モノを撮るときは隅々までくっきりとピントを合わせたいもの。
そんなときは絞り込む。
F5.6だとあまりにピンポイントなので全体像がよく分からない。F32まで絞ると全体がくっきりするけど、まあ普通はF8からF16くらいで適当なとこを見つけるのがいいだろう。
ISO感度を上げないで絞り込むと、当然シャッタースピードは遅くなる。手持ちでの撮影は無理なので、三脚は欠かせない。
次は光の当たり方。
上の赤ベコは白いテーブルにおいて、左から差す外光で撮ったもの。左から光が当たってるので、右側が暗い。
そこで角度を変えてみた。
そうすると左側に光が当たって全体の色が出てきた。でもそのせいで、鼻が暗い。鼻だけが影になって暗い。これはよくない。そんなときは「レフ板」の登場。レフ板というと大げさだけど、まあ、白い紙でも板でもなんでもいい。反対側から光を反射させて当ててやるのだ。
上がその撮影風景。白い板(これは撮影用のレフ板だけど、まあ、真っ白で固い紙ならなんでもいい)を反対側に置いてやる。その辺は家にあるものを適当にひっぱりだしてくる。上の場合も、白いレフ板を支えてるのはブックエンドだし。
で、撮り直す。
そのまま反対側から光を当てたらこんどは鼻の頭が真っ白に光ってしまった。これはよくない。そんなときはちょっとレフ板の角度を変えてやる。
これなら目立たないで影が弱くなった。
とまあこんな感じで、セッティングを決めたら、撮りたいものがよく分かるアングルを探し、そこにうまく光が当たるよう、光源やレフ板を使って光をコントロールして、撮る、というのが基本だ。
なお外光を使って撮るときは部屋の照明は消すこと。外光と部屋の照明(蛍光灯にしろ白熱灯にしろLEDにしろ)は微妙に「光の色」が違うので、複数の異なった光源があると色が安定しないのだ。
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