「防水」という言葉からはイメージしにくいスマートな外観もDSC-TX5譲りで、レンズカバーを下げることで電源が入る(撮影可能な状態になる)ギミックも同様。レンズカバーの堅さも適切だ。電源ボタンとシャッターボタン、ズームレバーはDSC-TX5に比べると若干ながら大型化されており、操作性も悪くない。
用意されているボタン類は電源、シャッター、録画、再生、ズームレバーの5つのみで、設定に関してはタッチパネルより行う。タッチパネルは静電容量式だが、アウトドア利用時の誤操作を防ぐためか、指の腹で軽く押し込むように操作しないと反応してくれない。なおタッチパネル液晶は3型/約92万画素と本体サイズ(95.6×56.1×17.9、幅×高さ×奥行きミリ)の割には大型かつ高精細で、視認性も高い。
操作インタフェースはタッチパネルに最適化されており、基本的には同じく屈曲式光学系を採用したスリムモデル「DSC-TX100V」(レビュー)と同じと思えばいい。画面右の指先マークを押せば、フォーカスポイントを画面上の触れた場所へ設定する(追尾させることもできる)こともできる。
海辺や水中で使う際、細かく設定を変えていくのは現実的ではないので(水中ではタッチパネル操作が行えない)、基本的にはオート撮影(撮影モードでいえば「おまかせオート」)での利用がメインになるだろう。
同じオート撮影モードとして、必要に応じて高速連写と重ね合わせまでも行ってくれる「プレミアムおまかせオート」も用意されているが、プレミアム〜では撮影後に合成の時間が若干ながらかかるほか、光量のある海辺やアウトドアではおまかせオートで十分な局面が多い。夜間や夕刻など暗い場所ではプレミアム、それ以外ではおまかせオートという選択がいいように思える。
今回は実際に海辺へ持ち出して試用したが、オート撮影と割り切ってしまえば非常に快適な撮影が行えた。ストラップを使って首や手首にぶら下げて携帯し、撮りたいと思ったらレンズカバーを押し下げて撮影すればいい。DSC-TX5では屋外での再生時に鮮やかさが不足していた印象があったが、本製品ではバックライトの輝度が上がったのか、屋外でも色鮮やかな写真を本体液晶で鑑賞できた。
サイバーショット2011年春モデルに共通する特徴として、充電はUSBを利用する。専用のUSBケーブルが必要となるが、付属のUBS/ACアダプタのほか、汎用のUSB/ACアダプタも利用できるので、本製品が活躍する旅行時で荷物を減らせるのは非常にありがたい。ちなみに、撮影可能枚数はカタログ値では約250枚となっているが、動画を撮影しているとバッテリー消費が激しいので、泊まりがけの旅行ならば充電の準備を忘れないようにしたい。
DSC-TX10の魅力はなんといっても、「防水デジカメ」らしからぬそのデザイン。各社から防水デジカメが登場している昨今だが、そのデザインはさまざまで、いかにもアウトドアグッズという製品が多い中、一見すると防水っぽくない本製品のデザインは貴重だ(この観点だと、ライバルはリコーの「PX」になるだろうか)。本格的なダイビングや登山に携帯するアウトドアユース用のデジカメではなく、「普段は日常生活の記録として使うが、多少ラフに使ってもOKなデジカメ」を探している人にとっては有力な選択肢になるだろう。
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有効1620万画素の「高感度」CMOSセンサー搭載。防水・防塵(ぼうじん)・耐衝撃・耐低温設計のスリムボディ。価格は3万7800円(税込/7月15日現在)。
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