自分撮り時は液晶モニタを180度回す。
すると画面上に自動的に「セルフタイマー」アイコンがあらわれる。こういう芸はさすがだ。
カメラを手に自分撮りするときは、フレームを180度開いて端を持つといい。縦位置で自分撮りするときはフレームを下にしてそこを持つといい。90度開いた状態だと、レンズが広角なので手やフレームが映り込んでしまう。
さらに、フレームを少し開いて△状態にして机に置いたり、あるいはレンズ側を下にしてフレームで支える感じで置くと、適度なアングルでフリーハンド自分撮りが可能になる。これはひとつのウリだ。開いたフレームをその辺にひっかけてもOK、らしい。
フリーハンド撮影時に便利なのは、EX-TR100ならではの「モーションシャッター」モード。これが面白い。
モーションシャッターを使うと、画面に丸いアイコンが現れる。これをモーションをチェックするポイントにドラッグしてシャッターを押すとスタート。後は、そのエリアに動きがあると、2秒のセルフタイマーが自動的にかかる。
例えば旅行先で、自分が指定した場所にはいると自動的に撮影が始まるとか、数人で一緒に撮るとき、誰かがそこで手を振るとそれがトリガーとなって撮影されるとか。セルフタイマーより柔軟で、セルフタイマーより楽しめる仕組みだ。何よりシャッターを押さなくてもいいし、何度でも連続で動いてくれる。
と、このように面白いカメラなのだが、タッチパネルのUIはもうちょっと考えて欲しかった。
まず画面の右にある「+」と「−」とスライドバーはデジタルズーム、その下に録画スタート用の赤丸アイコン。デジタルズームと動画以外の何かを触ろうと思ったら、左上に出ている小さな△のついたタブをタップする必要がある。するとメニュータブが表示されるので、ここで撮影モードや画面表示向きや細かい設定を変更する。
タッチパネルのインタフェースは、iPhoneやAndroidを参考にもう少し洗練させて欲しかったかな。
最後にEX-TR100の特徴をもうひとつ。
バッテリは脱着不可で、充電はUSB端子で行うのだ。デザイン優先なのだろう。個人的にはこれはアリだと思う。その充電はフレームを開いて行う。本体の隅に端子カバーがあり、付属USBケーブルを使ってパソコン本体や、USB出力を持つ各種電源を通して充電する。
これはいいのだが、残念なのはコネクタ。EX-TR100の気軽さを考えると、汎用性の高いmicroUSB端子を採用すべきだったろう。そうすれば市販の様々なケーブルが使えたのに。
EX-TR100はこのように「小型高倍率重視」の一般的なデジカメとは一線を画した、面白くて遊べる製品だ。気軽に持ち歩いてスナップを気軽に撮る、楽しみながら撮る、ちゃんとセッティングしてじっくり撮るのはほかの「まとも」なデジカメに任せて、スマートフォン以上に気軽に撮る。
そんな楽しいカメラである。これを持って歩いてると、ほんと、無駄に何でも撮っちゃうのだ。
ここまでやるなら、タッチパネルは静電容量式にして、通信機能もいれたいよね……って、もしかして、これ、そのままスマートフォンになればいいんじゃない? 大きさ的にもデザイン的にも、このままAndroid OSを入れて、デジカメメインのスマートフォンになったら、画期的デザインの面白い製品となるんじゃなかろうか。使ってたらそんな気がしてきました。どうでしょう。
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