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楽しみはライカレンズだけじゃない――GXR用ユニット「GXR MOUNT A12」(1/3 ページ)

» 2011年09月02日 18時47分 公開
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 リコー「GXR」といえば、カメラボディとカメラユニットを交換することで、さまざまな撮影シーンに対応できるユニークなデジタルカメラ。ボディとカメラを別のユニットにすることで、レンズとセンサーを専用に設計することができ、最適な描写を得ることができる。

 このカメラユニットは「S10 24-72mm F2.5-4.4VC」「A12 50mm F2.5 MACRO」「A12 28mm F2.5」と個性的な4つが発売されているが、今回紹介するのはカメラユニットではなく「レンズマウントユニット」という新しいカテゴリーに分類される。APS-Cサイズ1200万画素センサーを搭載したユニットに、ライカMマウントのレンズを装着できるマウントアダプターを備えた「GXR MOUNT A12」だ。

photo 「GXR MOUNT A12」とGXR
photo  マウント部分左にはレンズ取り外しのレバーがある

 「ライカMマウント」と聞いてあまりピンと来ない方や、ライカのレンズを持ってないから自分には関係ない……と思った方もいるのではないだろうか? ライカとあまり関わりのない若い世代や、写真はずっと撮ってはいるが今のカメラとレンズで十分という方も多いかと思う。ライカレンズに興味を持つきっかけはなかなか無いかと思うので、この記事をきっかけにライカのレンズにも興味をもって頂ければ幸いだ。

 まずは、GXR MOUNT A12のスペックから見ていこう。

 搭載されているセンサーは、有効画素数約1230万画素のAPS-Cサイズ(23.6ミリ×15.7ミリ)のCMOSセンサーで、焦点距離は35ミリ判換算で約1.5倍となる。ISO感度は200〜3200とISO100相当の拡張ISO感度に対応している。ユニットに搭載されているメカニカルシャッターは1/4000〜180秒、バルブ撮影、フラッシュ同調速度は1/180秒まで対応している。

photophoto ISO感度は、ISO100相当のISO-LOからISO 3200まで設定可能だ(写真=左)、ISO AUTO-HIの場合は、上限ISO感度と手ブレしないシャッタースピードに設定して使おう(写真=右)

 このユニットの特筆すべきは、ローパスフィルターが搭載されていない点だ。通常、デジタルカメラでは撮像素子の前に、一定以上の周波数の光をカットするフィルターが設けられている。このフィルターによってモアレやノイズなどの抑制が図られているのだが、撮像素子の前にフィルターを置くことで、解像感の低下にもつながってしまっている。

 GXR MOUNT A12は、モアレをソフトウェアで抑制することで、ローパスフィルターなしでも、キレの良い写真撮影が可能となっている。試写してみたところ、遠景など細かい部分がしっかりと描写されていて、ローパスフィルターなしの魅力を存分に味わうことができた。

 このユニットは、ライカレンズを楽しむだけではなく、ローパスフィルターなしのキレのある1200万画素を楽しめる貴重なユニットだ。このユニットのために、ライカレンズを買う価値は十分にあると言える。

photo RAWデータ(DNG形式)をストレート現像した画像。窓枠や手すりなどが1ピクセル単位で解像している事がわかる。遠景もしっかりと解像している
photo 同じくRAWデータ(DNG形式)をストレート現像した画像。手前のタイル表面やタイルの継ぎ目の解像感が素晴らしい。遠景は被写界深度から外れた自然なボケとなっている

 このユニットのMマウントは、いわゆるユニバーサルマウントで、ライカ以外に有名どころではツァイスやフォクトレンダーなどがあり、そのほかロシアやイギリスなど世界各国のレンズが存在する。また、キヤノン、ニコン、フジフイルム、ミノルタもレンズを生産していたことがあり、リコーもMマウントの28ミリと21ミリの「GRレンズ」を発売していた。このGRレンズは、生産数が数千本という事もあり、中古でもなかなか見ることのできない貴重なレンズだ。

 このように、まさにオールスターとも言える世界各国のメーカーのレンズ描写を楽しめる事も、ライカレンズの魅力のひとつだ。なお、一部のレンズは後玉が飛び出しているため、ユニット内部に干渉して本製品では使用できないものがある。レンズが使用できるかどうを確認出来るチェッカーが付属するので、後玉が飛び出しているレンズを使用する前に確認するようにしよう。

photophoto 広角レンズには、後玉が飛び出しているレンズが存在する(写真=左)、チェッカーをレンズに装着し、赤く記した部分より飛び出していなければ使用可能だ(写真=右)
photophotophoto 周辺減光の補正は−3から+3の設定が可能だ。-3にすると周辺が暗くなる事が分かる(写真=左)、0はよく見ると周辺が暗くなっていると分かるレベルだ(写真=中)、+3はほぼ周辺減光がない状態に近い(写真=右)

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