はやいものであっという間に年末年始ですな。
小学館の日本大百科全書によると、「大晦日の晩から元日にかけては、村の氏神にこもって起き明かすものであったが、前半は除夜の鐘を聞き、後半は初詣と、二つを別々の行事に分けたのであろう」(初詣の項)だそうである。
初詣といえば、お詣りするんだから神社だろうと昔は思ってたけど、考えてみたら、明治時代に「神仏分離」とか「廃仏棄釈」なんてやらかすまでは1000年以上も寺と神社は合体してたのだ(神仏習合)。そう思えばお寺でも不思議じゃない。
今でも、神社と寺が隣り合ってる場所は多いけれども、それはもともと同じ境内にお寺と神社があったから。明治時代に分離しろといわれて分けたので不自然にくっついてるのである。
そんなわけで、鳥居のあるお寺もあるし、初詣での名所となってるお寺もあるわけだ。
たとえばこんなお寺がある。
広島県にある「医王寺」というお寺なんだが、長い階段を上るといきなり鳥居が出迎えてくれるのが考えてみたら不思議な感じ。一応元旦に撮った写真だけど、お正月っぽい雰囲気ではないですな。初詣ではみんな神社へ行っちゃうから。
お寺にある解説板。平安時代の開基といわれる古刹(こさつ)。鳥居の話はなかった。残念でもこの案内に書いてある「15分ばかり上ったところにある太子殿からの展望はすばらしいものです」という一言が気になって上ってみた。
いや15分程度だからすぐだと思ってたのだが、そもそも医王寺へたどり着くために延々と斜面を登ってるわけで、正月早々、何で山道を歩いてるんだか。
こんなところを登るのである。なんか爽やかすぎる山道だ。そういうときは-1の露出補正をかけて、ホワイトバランスを太陽光にする。
するといい感じに山の中っぽくなる。
で、太子殿へたどり着いて振り返ると、確かにお正月にふさわしい素晴らしい眺望でありました。
中央に見えるは仙酔島という無人島で、国民宿舎や旅館があり、野生のたぬきも住んでる。その向こうに見えるのは瀬戸内海の島々。遠くにかすんで見えてるのは四国かもしれないが、さすがにしこまではよくわからぬ。いつもは船が行き交う海だが、正月は静かなものである。
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