第2世代となるハイブリッドマルチビューファインダー(HMVF)の搭載も大きな特徴だ。第1世代のHMVFを搭載したX100は非交換式の単焦点レンズであったためにファインダーも単焦点で良かったが、X-Pro1はレンズ交換ができるため、ファインダー倍率の変更ができることを目指したという。
HMVFでは光学ビューファインダー(OVF)と電子ビューファインダー(EVF)を切り替えて撮影できるが、OVF時は撮影範囲を示すブライトフレームが表示される。18mmレンズを装着するとファインダーのほぼ一杯にブライトフレームが表示されるが、35mmレンズを装着すると焦点距離が長くなるため、ブライトフレームはOVF内の中央に小さく表示される。焦点距離の長いレンズを装着すると、ブライトフレームはさらに小さくなる。
第2世代のHMVFではファインダー内にレンズがもう1枚あり、それを使うことで、ブライトフレームを拡大して表示する。「35mmレンズを装着時に、18mmとほぼ同じ大きさのブライトフレームが出せる」という。レンズ交換時に自動的に光学倍率が切り替わるので、ユーザーが作業をする必要はない。
それ以上の焦点距離を持つ望遠レンズの場合、ブライトフレームは小さくなるが、さらに倍率を変更しようとするとパララックスが大きくなるため、その場合はEVFに切り替えて使うことを推奨する。「選択できるのがハイブリッドマルチビューファインダーの良さ」(河原氏)。ちなみに、ズームレンズ使用時は焦点距離に合わせて、ブライトフレームがシームレスに動くようにしたいという。
フィルムシミュレーションは、これまでカラーリバーサルフィルムをもとに色再現などを設計していたが、今回、新たにネガフィルムをベースにしたシミュレーションを搭載した。Pro Neg.Std(プロネガスタンダード)とPro Neg.Hi(プロネガハイ)の2種類で、ProNeg.Stdは写真館などで使われているプロNSフィルムのように、室内のフラッシュ撮影でも柔らかい階調と自然な色再現ができるという。ProNeg.Hiは、ハイコントラストな画像が撮影でき、スタジオライティングではメリハリのきいた階調再現ができるという。こちらはプロNCフィルムをベースにした。
撮影機能としては多重露光機能も備えた。最初の1枚を撮影し、次に2枚目を撮影するさいには場合、1枚目が薄くオーバーレイ表示されるので、1枚目がどんな画像だったかを確認しながら多重露光撮影ができる。1枚目のオーバーラップは、液晶やEVFだけでなく、OVFでも浮かんでいるように見えるそうで、「クリエイティブな発想力をかき立て」(同)られるという。
X100に比べてボディサイズが大型化していることで、X-Pro1ではシャッタースピードダイヤルのロックボタンを始め、ロータリーボタンではなくコマンドダイヤルにするなど、操作性が向上した。「(コンパクトさを加味した製品では)犠牲にせざるを得なかった操作性もある」と河原氏は話し、その犠牲を解消した形だ。
背面には新たに「Qボタン」が追加され、撮影設定に1ボタンでアクセスできるようになった。従来はFnボタンがあったが、1つでは足りないという声に応えたという。
富士フイルムでは、Xシリーズの成功で自信をつけており、X-Pro1についても初年度の販売台数として15〜20万台を計画。お披露目となったInternational CESでは、設置しているブースをこれまでよりも大型化したが、今後さらに大型化するほか、今年秋にドイツで開催されるイベントPhotokinaでは、さらに大々的にブースを展開し、積極的にアピールしていきたい考えを示している。
なお、X-Pro1は現時点で国内発表されていないが、詳細については「今は話せない」(河原氏)そうだ。
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