ソニー「NEX-7」は、有効2430万画素のCMOSセンサーを搭載した同社のミラーレス最上位モデルです。前回の画質レビュー(有効2430万画素の描写力を検証――ソニー「NEX-7」を試す)に続き、今回の後編では「NEX-7」のデザインと機能、操作性をチェックしていきましょう。
ボディは、天面と前面のカバーにマグネシウム合金を配置した高品位な作り。キットレンズも含めて全体を黒でまとめながら、レンズの付け根部分にシルバーのリングを配置することで、引き締まった印象を生み出しています。
デザインのコンセプトは、これまでのNEXシリーズと同じく「円筒と板」。つまり、光を取り入れるためのレンズ(円筒)と、その光を受け取るための撮像素子(板)の2つで構成されたスタイルがカメラの究極の形である、という発想です。その上で、従来モデルにはなかった電子ビューファインダーとフラッシュを標準装備し、「板」の部分の存在感を強調しています。
手に取ると、金属外装のひんやりとした質感が伝わり、さらにラバーグリップが指に吸い付くようにフィットします。ダイヤルやボタンの多くは金属の削り出しによるもの。再生ボタンやフラッシュボタンのアイコンは単なる印刷ではなく、彫り込んだ上に着色するなど、細部の仕上げにも凝っています。
キットレンズを装着した際の使用時重量は、約544グラム。下位モデル「NEX-5N」や「NEX-C3」に比べると一回り大きく重くなっていますが、それでも電子ビューファインダーとフラッシュを備えたレンズ交換式のカメラとしては小型軽量といえます。
操作面のいちばんの特長は、「トライダイヤルナビ」(Tri-Dial Navi)と呼ぶ新しいユーザーインタフェースを採用したこと。取扱説明書では「トリプルダイヤルコントロール」と記されているものです。これは、ボディ天面に設けた2つのコントロールダイヤルと背景のコントロールホイールの3ダイヤルによって、露出やフォーカス、発色に関する主要な機能を素早く呼び出すための仕掛けです。
例えば絞り優先AEモードを選んだ場合、左側のコントロールダイヤルLでは「絞り値」を、右側のコントロールダイヤルRでは「露出補正」を、背面のコントロールホイールでは「ISO感度」をそれぞれダイレクトに切り替えることができます。おそらく多くの人にとって使用頻度が高い3機能を、右手親指の移動だけで瞬時に変更できるのは、とても快適です。この3機能の組み合わせは「露出設定セット」と呼ばれます。
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