さて、「OLYMPUS OM-D E-M5」の3回目である。同じマイクロフォーサーズ規格のカメラでも、パナソニック「DMC-G3」やオリンパス「E-P3」を握ったときの柔らかい感じと、「OLYMPUS OM-D E-M5」(以下 OM-D)手にしたときのゴツッとしたソリッド感は、iPhone 3GSとiPhone 4を持ち比べた際に感じる印象差に近いものがある。
使っていればすぐ慣れるので問題ないのだが、手が大きい人やグリップがしっかりでっぱっててしっかり握れる製品に慣れてる人は、別売りのパワーバッテリーホルダーをつけるという手がある。そうするとグリップ部がついて縦位置シャッターボタンも追加されてFnキーもふたつ増える。OM-3や4にモータードライブをつける感じ。ここまで2〜30年前を思い出させなくてもいいのだけど、ハイエンド機ならではのアクセサリーではある。
電源が背面にあるのは好みじゃないが、まあ背面の電源は常にオンにしておいても、スリープ時はあまり電気を食わないし、一定時間たてば完全に電源がオフになる設定もできる(この場合は電源スイッチを入れ直す)。バッテリーの持ちに無頓着な人ならオンにしっぱなしでもいい。1日中撮りまくるなら予備バッテリが欲しくなるだろうが。
構えるときはEVFが基本。というかこういう形だとついファインダーをのぞいちゃう。EVFの見栄えは良好。明るくて大きくてメガネをかけてても見やすい。
AFは「Fast AF」を名乗るだけあって速い。スッと合う。これは気持ちいい。位相差AFを搭載するデジタル一眼レフと遜色(そんしょく)ないレベル。望遠時もなかなか速い。「半押し中手ブレ補正」をオンにしておくと、半押し時に手ブレ補正が働くのでフレーミングを安定させるのにいい。
高速AFなコントラスト検出AFカメラの常として、たまに至近距離の被写体に合ってくれないこともあるが、それはOM-Dに限ったことじゃない。一度近距離のものにピントを合わせてから(わたしはそういうとき左腕を伸ばして手のひらにいったん合わせる)、再度挑戦するといい。
コンティニアスAFやターゲット自動追尾AFもあるが、こちらはコントラストAFの限界か、位相差検出AFに比べると迷いが大きかったり、後ろへ抜けてしまうこともある。単純な動きをする大きめの被写体ならいいが、そうじゃないときは今後の課題って感じだ。
AFポイントは35点。日常的な用途なら十分なんだけど、F1.4や1.8なんていうレンズで被写界深度が浅い写真を撮りたいときやマクロ撮影時は、もうちょっとピンポイントで合わせたい。
そのときは背面モニタを使う。モニタのタッチAFだとAF枠のサイズを変えられるのだ。最小(14倍)にするとけっこう小さくできる。その上、タッチパネルが静電容量式のためか、軽く触れるだけでいいし認識精度もけっこう高い。これはよい。明るくて見やすいし、チルト機構があるのでローアングルもハイアングルもいける。
どうしてもEVFで撮りたいときはモニタにタッチしてAFポイントを指定してから、EVFをのぞ直すと、AF枠を十字キーで移動して微調整できる。どうしてもピンポイントで合わせたいときはMFモードだな。マクロ撮影時はこのほうが便利。
タッチAF時は電子水準器のバーが表示されなくなるのは残念。NEX-7のように画面のど真ん中に常時表示しちゃうというのもアリかと思うのだけど……だめかしら。
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