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デザインとデジタルの力で利便性を増した「NEX」最新型――「NEX-F3」(1/3 ページ)

» 2012年05月28日 19時37分 公開
[mi2_303,ITmedia]

 ソニー「NEX-F3」は、APS-Cサイズ(23.5×15.6ミリ)の有効1610万画素“Exmor”APS HD CMOSセンサーを搭載したEマウントのミラーレス一眼カメラ。「NEX-3」系としては「NEX-3」「NEX-C3」に続く3台目となるが、いずれも6月発売となっているのはちょっと面白い。

photo ソニー「NEX-F3」

 NEX-C3との主な相違点としてはボディデザイン変更のほか、ストロボの内蔵、自分撮り可能となったチルト式液晶の可動領域拡大、動画撮影機能のフルハイビジョン対応、全画素超解像ズームと「オートポートレートフレーミング」機能の搭載などが挙げられる。

使いやすくなった操作系

 まずは、NEX-C3との相違点が目立つ外観からみていこう。NEX-C3は上面がシルバー、側面がシルバーもしくはブラック、ピンクのツートンカラーとなっていたが、NEX-F3は構成色は1色となり少しおとなしめのカラーリングとなった。レンズマウント右下には、センサーサイズをアピールする「APS-C」の文字がプリントがされている。

 NEX-C3と比べて最も目を引く変化のひとつが、大きく張り出したグリップとそのグリップに設けられたシャッターボタンだ。NEX-C3では一体化していた電源スイッチとシャッターボタンが別となり、NEX-5系に近いデザインとなった。この変更により、人差し指をシャッターボタンに掛けたまま右手親指で電源のON・OFFが可能となり、操作性は向上したといえる。

 さらに、NEXシリーズの特徴のひとつでもあったストラップの取り付け方向も変更となっている。従来機はストラップを取り付けて首から下げると液晶面が上を向くようになっていたが、本機からは一般的なカメラと同じくカメラ上面が上を向くようになった。この変更に関してどのような意思があるのかは読み取れなかったが、グリップを握る際にストラップホールが邪魔にならなくなったように感じられた。

 NEX-3系は丸みを帯びたデザインと薄いグリップがNEX-5系にはない、ライトな印象を醸し出していたが、NEX-F3ではその部分が薄れたようにも思える。その理由はデザインの変更に加えて、ボディそのものが一回り大きくなったことだろう。NEX-C3の約109.6(幅)×60.0(高さ)×33.0(奥行き)ミリに対し、NEX-F3は約117.3×66.6×41.3(同)となり、サイズ的にはNEX-5というよりもNEX-7に近い。

photophoto ややエッジの立ったシャープな印象(写真=左)、バッテリーは写真のような挿入方法に変更となった(写真=右)

 再生ボタンは、斜めにカットされた背面に配置される。再生ボタンが液晶モニターと同じ面に来たことで、理にかなった操作系となった。

 液晶モニターの上部には、ストロボをポップアップさせるためのボタンがある。フラッシュ内蔵となってはいるが、上面のスマートアクセサリーターミナル2は引き続き搭載されているので、別売りの外付けストロボ「HVL-F20S」を使ったバウンス撮影も可能となっている。また、別売りの電子ビューファインダーFDA-EV1Sを使用することもできる。

photophoto 背面のポップアップボタンを押すとストロボがポップアップする(写真=左)、NEX-C3では上面だった再生ボタンは背面に、液晶右のソフトキーもサイズが大きくなって押しやすくなっている(写真=右)

 可動式の液晶モニターは、ローポジションでの撮影のほかにも、上方へ180度跳ね上げるように可動させることで自分撮りが可能となる。自分撮り機能は、静止画だけではなく、動画撮影にも応用ができそう。ただ、この可動方法の変更により、液晶モニターを下向きにすることはできなくなったことは残念。無理すればほんの少しだけ、下向きの角度をつけることは可能だが実用的ではない。

photophoto 180度回転可能な液晶モニター。3秒セルフタイマーによる自分撮りは便利な機能だ(写真=左)、下方向にはここまでしか動かせなくなった(写真=右)

 付属バッテリーは既存モデルと変わらず「NP-FW50」だが、サイバーショットなどと同様に充電器が付属せず、UBSケーブルを使って本体で充電するスタイルとなった。これに伴い、充電器「BC-VW1」は別売りとなった。

 撮影可能枚数は、CIPA規格準拠で約470枚となり、同じバッテリーを採用するNEX-C3よりも約70枚多く撮影できる。動画撮影時間は、画像サイズが1280×720ピクセルから1920×1080ピクセルのフルハイビジョンへと向上したためか、約140分と10分ほど短くなった。

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撮影 | α NEX | 自分撮り | 超解像技術 | APS-C | Eマウント


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