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デザインとデジタルの力で利便性を増した「NEX」最新型――「NEX-F3」(2/3 ページ)

» 2012年05月28日 19時37分 公開
[mi2_303,ITmedia]

今春「α」「サイバーショット」の新機能も搭載

 撮影機能については、連写合成もカメラが自動判断する「プレミアムおまかせオート」や超解像技術を用いることで画質劣化を抑えたズームを行う「全画素超解像ズーム」、人物を撮影すると印象的な構図の写真として保存する「ポートレートフレーミング」など、αやサイバーショットも含む同社今春モデルの主な新機能な機能を備える、全部入り的なカメラとなっている。

 「おまかせオート」による優秀なシーン認識やDレンジプティマイザーによる逆光補正に加えて、「プレミアムおまかせオート」ではシーン認識によるオートHDRが適用されるなど、誰でも簡単に綺麗な写真が撮れるように作り込まれている。

photophoto 連写機能を利用したオートHDR機能も働く「プレミアムおまかせオート」が搭載された(写真=左)。レンズにかかわらず約2倍のデジタルズームが可能となる「全画素超解像ズーム」(写真=右)
photophoto オートポートレートフレーミング機能を有効にし、顔認識AFを利用して撮影(写真=左)。撮影後、オートポートレートフレーミング機能が働き大胆な構図でカットされた。オリジナルももちろん保存される(写真=右)

 NEX-5Nと同じく「レンズ補正機能」も用意されている。キットレンズである標準ズームレンズ「E 18-55mm F3.5-5.6 OSS」の広角側は樽型ゆがみが発生するため、水平線や地平線などがゆがんでしまうが「歪曲収差」補正をオンにすると改善できる。撮影時、気になるようであれば補正をオンにして撮影するといいだろう。

photophoto 「歪曲収差」オフ(写真=左)とオン(写真=右)。水平線のゆがみが補正されていることが分かる

 撮像素子の“Exmor”APS HD CMOSセンサーはISO感度をISO200〜16000まで設定可能で、NEX-C3より高感度での撮影が行える(C3はISO12800まで)。ISO感度別の作例をみると、ISO400までは安定の高画質となっている、ISO3200からノイズリダクションでは消えないカラーノイズが見え始める。ISO6400までは輝度ノイズを上手く抑えており極端な画像劣化は感じられない。ISO AUTO設定の上限はISO3200までとなっており、実用的な画質となるISO感度はISO3200と考えて良いだろう。

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photophoto ISO感度別作例。左上からISO200、400、800、1600、3200、6400、12800、16000

 ボディデザイン変更による使い勝手の向上や新たなデジタル撮影技術の投入など、NEX-C3より進化した部分があり完成度の高い製品といえる。ただ、上位機種であるNEX-5Nの価格が落ち着いているため、しばらくはNEX-F3にエントリーモデルとしての価格的なアドバンテージは少なそうであり、このあたりは市場でどう評価されるか難しいところである。

 コンパクトデジタルカメラからのステップアップを考えている方は、NEX-F3のグリップの握りやすさやボディーサイズをチェックしてみると良いだろう。その際に、コンパクトデジタルカメラでは味わえないメカシャッターの動作音なども味わってみて欲しいと思う。

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撮影 | α NEX | 自分撮り | 超解像技術 | APS-C | Eマウント


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