カシオ計算機の“EXILIM”「EX-ZR300」はEXILIMシリーズ最上にあたる製品。既存モデル「EX-ZR200」から高速な起動やオートフォーカス、短い撮影間隔などといった操作の軽快さを引き継ぎながら、無線LAN機能内蔵メモリーカード「FlashAir」への対応など同社得意のデジタル技術を用いた進化を果たしている。
モードダイヤルなどを含めたボディデザインは「EX-ZR200」から大きな変化がないものの、表面には金属的な光沢がプラスされ、写真の「ゴールド」などはより高級感が際だつ仕様になった。サイズは104.8(幅)×59.1(高さ)×28.6(奥行き)ミリで、12.5倍の高倍率ズームレンズを搭載したコンパクトデジカメとしては標準的なサイズに収まっている。
撮像素子とレンズ、液晶サイズなど主要ハードウェアの仕様もEX-ZR200と同等で、有効1601万画素CMOSセンサーに35ミリ換算24〜300ミリ相当の光学12.5倍ズームレンズを組み合わせる。背面液晶は3型(46万画素)を搭載する。充電についてはUSB経由で行う仕様で、バッテリーを本体から取り外して充電するタイプの充電器は付属しない。
外観と仕様はほぼEX-ZR200を踏襲するが、起動時間とAF合焦時間、撮影間隔はそれぞれ0.95秒(0.98秒)/0.12秒(0.13秒)/最短0.26秒(同0.27秒)とEX-ZR200より短縮されている。数値としてはわずかなもので、2台を並べて操作でもしない限りその差には気が付かないレベルともいえるが、快適に操作できることには変わりない。
撮影機能についてはフルオート撮影機能である「プレミアムオートPRO」の強化が挙げられる。判別結果に「ローライト」などが加わったことで、判別するシーン数が24から35に増加したほか、動画撮影時にも有効となり利便性が増している。また、「ベストショット」には最高ISO12800の高感度撮影を行う「HSナイトショット」が追加されている。
連写合成によるエフェクトとしては既存モデルから「HDR」「HDRアート」「背景ぼかし」などを搭載していたが、本製品ではさらに7種類の「アートショット」が追加された。7種類は「トイカメラ」「ソフトフォーカス」「ライトトーン」「ポップ」「セピア」「モノクロ」「ミニチュア」で、これらはベストショットのいち撮影モードとして用意されている。
これらは色味の微調整なども可能だが、撮影前に効果をライブビューで確認することができない(効果例は表示される)。他社製品ではこうしたデジタルフィルター系効果の撮影前効果確認は一般的なものなので、ここは次モデルで改良して欲しいところである。
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