音楽フェスに海水浴、トレッキングなどなど、さまざまな夏のレジャーにカメラを持っていきたいが壊れるのは困る……。それは誰もが思うこと。そんなとき、頼りになるのが防水や防じん、耐衝撃といったタフネス性能を備えた「アウトドアデジカメ」とも呼べる製品群だ。
製品ジャンル自体は以前から存在しており珍しいものではないものの、近年ではさまざまなキャラクターを持つモデルが登場しており、出かける場所や用途に応じての選択が楽しめる。梅雨明けの前に各社モデルをチェックしつつ、選び方を考えてみよう。
いわゆるカメラのタフネス性能とは、防水や防じん、耐衝撃、耐寒といった能力を持つことを指し、数年前まではダイビングや登山などカメラにとってハードな環境におけるアウトドアスポーツでの利用を想定したモデルを中心に採用されていたが、昨今では利用シーンを拡大するという目的のため、採用するモデルが増えている。
現在各社から販売されているタフネスモデルの仕様をチェックしてみると、その製品キャラクターが浮かび上がってくる(以下はメーカー公称値)。
モデル名称 | 防水(水深) | 防じん | 耐衝撃(耐落下) | 耐寒 | 耐荷重 |
---|---|---|---|---|---|
OLYMPUS Toguh TG-1 | 12メートル | ○ | 2メートル | マイナス10度 | 100kgf |
OLYMPUS Toguh TG-820 | 10メートル | ○ | 2メートル | マイナス10度 | 100kgf |
OLYMPUS Toguh TG-620 | 5メートル | ○ | 1.5メートル | マイナス10 | ―― |
OLYMPUS Toguh TG-320 | 3メートル | ○ | 1.5メートル | マイナス10 | ―― |
DSC-TX300V | 5メートル | ○ | ―― | マイナス10度 | ―― |
DSC-TX20 | 5メートル | ○ | 1.5メートル | マイナス10度 | ―― |
COOLPIX AW100 | 10メートル | ○ | 約1.5メートル | マイナス10度 | ―― |
COOLPIX S30 | 3メートル | ○ | 80センチ | ―― | ―― |
PowerShot D20 | 10メートル | ○ | 1.5メートル | マイナス10度 | ―― |
FinePix XP150 | 10メートル | ○ | 2メートル | マイナス10度 | ―― |
FinePix XP50 | 5メートル | ○ | 1.5メートル | マイナス10度 | ―― |
DMC-FT4 | 12メートル | ○ | ○ | マイナス10度 | ―― |
RICOH PX | 3メートル | ○ | 1.5メートル | ―― | ―― |
Optio WG-2/WG-2 GPS | 12メートル | ○ | 1.5メートル | ―― | ―― |
EXILIM G EX-G1 | 3メートル | ○ | 2メートル | マイナス10度 | ―― |
防水については「水深○メートル」という利用可能な深さとあわせて、「JIS/IEC保護等級8(IPX8)相当」と表記するモデルが多い。これは「日本工業規格」(JIS)ならびに「国際電気標準会議」(IEC)の定めた、対象がどの程度外的要因に影響を受けないかに関する規格で、JIS/IEC保護等級8ならば、「継続して水中で使用(潜水)しても有害な影響はない」を意味する。また、「IP68」「IP68相当」など表記されているモデルもある。このIP68は前述のIECが定めている防水防じんの規格で、継続的に水中に置かれても問題なく、また、粉じんが内部に進入しない保護が施されていることを指す。
いずれにしても、防水性能についていえば、これらの規格はあくまでも「水中で継続利用できる」ことを示すものであり、どれぐらいの水深(水圧)に耐えられるかと、どれくらいの時間水中にあっても問題ないかは、各社の検証によっている。
今回紹介する製品はいずれも水中でも継続利用できる防水性能を備えているため、水辺で遊ぶ、あるいは悪天候になりそうな状況でも使いたいというならば、防水性能の有無だけをチェックすれば問題ないと思われるが、スキューバダイビングやラフティングなど、水中に長時間持ち込む可能性がある、あるいは水中に落とししまうかもしれないレジャーへ持っていく場合には、深い水深に耐えられる、水中での継続利用時間の長いモデルを選ぶ方がいいだろう。
もうひとつ、チェックしておきたいのが耐衝撃(耐落下)性能の有無だ。この性能を備える製品の多くが2メートルあるいは1.5メートルの耐衝撃性能を備えている。カメラをレジャーに持ち出すと分かるが、カメラを落とすということはあまりなくとも、意外なほどにカメラをぶつけてしまうということはある。「耐衝撃」は基本的に垂直落下でのテストで検証されており、ぶつけるという状況への強さを保証するものではないが、カメラへ瞬間的に強い衝撃を与えてしまうという意味では類似するため、レジャーに持ち出して使うことを前提とするならば耐衝撃(耐落下)性能の有無もチェックしておきたい。
そうした観点から再度スペック一覧をチェックしてみると、「OLYMPUS Toguh TG-1」「OLYMPUS Toguh TG-820」、それに「COOLPIX AW100」「PowerShot D20」「FinePix XP150」「DMC-FT4」「DSC-TX20」「PENTAX Optio WG-2/WG-2 GPS」「EXILIM G EX-G1」の各製品はアウトドア指向の強いモデルであると言える。また逆の観点からすると、「OLYMPUS Toguh TG-620」「OLYMPUS Toguh TG-320」「COOLPIX S30」「RICOH PX」「DSC-TX300V」はガーデニングや水辺の公園など、より日常のなかで使われることを意識したモデルと言える。
なお、タフさという意味で目を引くのが、製品名に「Tough」の文字を冠するオリンパスの「OLYMPUS Tough」シリーズだ。水深12メートルでの利用にまで耐えるTG-1を用意するほか、ポケットに入れたままで座るなどカメラの圧力をかけた状態にも耐える耐荷重性能までもうたうモデルを用意しており、過酷な環境下での利用を考えるならば、有力な選択肢となる。
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