世界最大の写真関連見本市「photokina 2012」が23日(現地時間)、閉幕した。ドイツ・ケルンで2年に一度開かれる祭典は今回も各社が新製品を投入し、十分な盛り上がりを見せていた。
写真のデジタル化が進んでいる中、photokinaは海外での開催にもかかわらず日本メーカーの存在感が強い展示会だ。ライカ、ハッセルブラッド、カールツァイスなどの強力な海外ブランドの展示も参加者を引きつけるが、キヤノンとニコンを初め、ソニー、オリンパス、富士フイルム、ペンタックスリコーイメージング、パナソニック、カシオ計算機、そしてシグマ、タムロンといった日本メーカーのブースには多くの人が詰めかける。
今回のphotokinaでは、ソニーがフルサイズ3兄弟としてデジタル一眼レフ「α99」、ビデオカメラ「NEX-VG900」、コンパクトデジカメ「DSC-RX1」を出展。キヤノンは「EOS 6D」、ニコンは「D600」を投入し、35ミリフルサイズセンサーを搭載したカメラが増えたのは1つのトピックといえる。EOS 6DとD600は同社フルサイズ機の中では低価格に位置づけられることから、「ミドルクラスの最上位機」は高性能のAPS-C機ではなく、フルサイズ機となる可能性も出てきた。
マイクロフォーサーズ陣営では、パナソニックが“LUMIX”「DMC-GH3」を投入。オリンパス「OLYMPUS OM-D E-M5」と並んで、プロ機としての利用を見込むハイエンド機に仕上げてきた。
DMC-G3が映像撮影のデモを行っていたよう、レンズ交換式カメラによる動画撮影も各社のアピールが激しくなっている。キヤノンはCINEMA EOS SYSTEMやEOS 6D、ニコンはD600でも動画撮影機能を強調。写真ではなく、動画のプロに依頼して撮影した各カメラで撮影した映像をブースで流すなど力を入れていた。
とはいえ動画撮影機能の強化は従来からの流れのなかにあり、特段驚くことではない。用途としてはプロあるいは映像作品作りであることも変わらず、ホームビデオの領域にレンズ交換式カメラが入り込んでくるという訳ではないが、高クオリティの映像制作をレンズ交換式カメラで行えるという事実は、深く浸透しつつあると言える。
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