正直なところ、初めて「Nikon 1 V2」を見たとき、ポップで斬新だったNikon 1 V1に比べて普通になっちゃったなあ、とちょっと落胆したのである。
すみません、それは浅はかでした。
いざ実物を手にすると、小さくて可愛いのである。これを見て「可愛い」と称するのもヘンだけど、そう感じたのだからしょうがない。両手で持つといい感じ。手へのおさまりがいいのだ。写真の印象ってアテにならないものだなと思うことしきり。グリップがしっかりしていて、持ちやすい。
スイッチを入れると、とにかく軽くて快適。サクサクと動く。一瞬でピントがあって一瞬で撮れる。これはいい。快適さはV1より増していると思う。余計なこと考えないでサクサクとってるとあっという間に撮影枚数が増えていく、かなり気持ちいいカメラに仕上がってるのだ。
J1とV1が第1世代、J2が1.5世代だとすると、V2は完全に第2世代のNikon 1になったといっていい。撮像素子は1型 有効1425万画素にアップ(V1は有効1010万画素)。アスペクト比は一般的な一眼レフと同じ3:2で4608×3072ピクセルとなる。
中央部(といってもけっこう広い範囲くて測距点は73点ある)の像面位相差AFセンサーは継承しており、そこに被写体があったときのAFはすごく速い。像面位相差AFセンサーは、撮像素子の一部に超小型の位相差AFセンサーを埋め込んだもので、最近搭載モデルが増えているが、その中でもNikon 1は最速だと思う。レリーズも軽いので、あっと思ってカメラを向けたらすぐ撮れるという印象だ。
暗い場所や周辺部など、AFセンサーが効かない場所では自動的にコントラストAFに切り替わる。その場合は普通に速すぎず遅すぎずといったところか。
顔検出機能も強化され、かなり遠くにいる人物でも顔を見つけてくれるようになったのもポイントが高い。ISO感度はISO160〜6400。便利なのは、ISOオート時にどこまでISO感度を上げるか設定できること。ISO6400にしておけば、オートのままで必要に応じて最高まで上がる。ISO6400でもそれなりに使える画質なので(もちろん、より大きなセンサーを搭載する機種には負けるけど)、Nikon 1の速さを楽しむには積極的にISO感度を上げていった方がいい。
シャッターはメカニカルシャッター時は1/4000まで。電子シャッター時は最高1/16000秒になる。V1ではFキーでメカシャッターと電子シャッターを切り替えられたが、それはなくなり、オートモードでは両者は自動的に切り替わる。
それ以外ではメニューから「サイレント撮影」をオンにするとメカニカルシャッターから電子シャッターに切り替わる。この発想が面白い。サイレント撮影にすると、操作音やAF合焦音もオフになるので完全に無音。逆にメカシャッターのまま操作音を消す機能がない。電子音+メカシャッターか、完全無音の電子シャッターかの二者択一で、そこはちょっと謎の仕様だ。
電子シャッターで撮影すると、高速な被写体を撮ったときにCMOSセンサー特有の「ローリングシャッター歪み」を避けられないが、Nikon 1のセンサーはこれが少なく、通常の撮影だと気にならないレベル。これはよい。
連写は秒5コマから秒60コマまで4種類から選べる。高速連写時は電子シャッターを使う。サイレント撮影をオンにして超高速連写なんてした日には、いつ何枚連写し終わったかわからないほど。連写した写真をチェックしたところ、秒15コマの連写で55枚までいけた。
ただ、サイレント撮影&高速連写にセットしたのを忘れてると、通常の撮影でも気づかないうちに連写してて撮影枚数がどかっと増えてびっくりするという罠が待ってます。ご注意を。
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