ソニーから久々に登場したフルサイズセンサー搭載機「α99」は、「いつかはフルサイズ」と考えるユーザーにはもちろん、「いつでもフルサイズ」ともいうべく、さまざまな層が手にして楽しめる製品として企画されている。
ただ、価格やサイズなどでフルサイズとAPS-Cの間にハードルがあることも事実である。フルサイズかAPS-C、ソニーが提案する選択肢とは何か。前編に引き続き、商品企画を担当する内田雅貴氏(デジタルイメージング事業本部 商品企画部門 商品企画2部3課 プロダクトプランナー )と、 商品設計のまとめを担当した 漆戸寛氏(デジタルイメージング事業本部 イメージング第1事業部 商品設計2部 1課)のおふたりに話を聞いた。
・「α99は間口の広いフルサイズ」――ソニーに聞く「フルサイズ」(前編)
━━α99は今シーズン、αのフラグシップモデルとして登場するわけですが、ユーザーにはどうしてもお財布の問題が出てきます。ロードマップにフルサイズのバリエーションモデルはあるのでしょうか?
内田氏: さまざまな可能性は柔軟に考えています。フルサイズのバリエーション機を出すか出さないかに関してはまったくの未定です。
漆戸氏: 「フルサイズセンサーを搭載した製品」というくくりで言えば、コンパクトタイプの「DSC-RX1」やレンズ交換式ビデオカメラの「NEX-VG900」を同時期に発表させて頂いたよう、広がりがあってもよいと考えています。フルサイズ機の製造にはどうしてもコストがかかりますが、従来より低価格で製造することが可能になりつつありますので、いろいろなパターンへの展開も含め、今後、広がっていくのではないかと思っています。
━━α99にDSC-RX1、NEX-VG900とフルサイズセンサー搭載製品が3つ同時に発表されたこともあって、ソニーは今後フルサイズを推し進めてゆき、APS-Cからは遠ざかる、そうした印象も受けましたが、その辺りはどうなのでしょうか。
内田氏: フルサイズセンサーを搭載した製品を同時に発表しましたが、ラインアップをすべてをフルサイズにするという意図ではありません。
━━では、ソニーとしてはフルサイズ機もAPS-C機も今後同じように展開していくということですか?
内田氏: そのように考えています。
漆戸氏: APS-C機は今後も発展してゆきます。α(Aマウント)についてだけ言っても、DTレンズを相当数リリースしていますし、 APS-C機にはAPS-C機ならではのよいところがあります。そうした長所を生かした、製品が今後も登場すると思います。フルサイズ機はどうしてもある一定以上の小型化が難しいですが 、APS-C機はまだ小型化の余地があるとも考えています。
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