CP+ 2013のシグマブースでは発売前の「DP3 Merrill」を試すことができた。50mm F2.8(35ミリ判換算75ミリ相当)レンズを一体化しており、DPシリーズの中でもその大きなレンズは独特の存在感を醸し出していた。
レンズ長が長くなったことでフォーカスリングの幅が広くなり、マニュアルフォーカス時の操作性が向上している。Qメニューを含む操作系は従来機を踏襲しつつ、新たにAFリミットモードが追加されている。このAFリミットモードは単純に近距離にピント合わせをしないだけではなく、ユーザーが自由に範囲設定を行うことも可能となっている。
中望遠レンズ一体型ということでマニアックな製品となるが、ローズアップレンズなしで最短撮影距離が22.6センチまで寄れるため、高精細なマクロ撮影という新たなDPワールドの広がりが期待できる製品だ。
ブース中央には発表になったばかりのArtラインの「35mm F1.4 DG HSM」「30mm F1.4 DC HSM」、マイクロフォーサーズ/Eマウント用「19mm F2.8 DN」「30mm F2.8 DN」「60mm F2.8 DN」、Contemporaryラインの「17-70mm F2.8-4 DC MACRO OS HSM」、Sportsラインの「120-300mm F2.8 DG OS HSM」の実機展示が行われていた。
金属感を前面に押し出したDNシリーズは、小さいながらもインパクトがあり、来場者が次々手に取って確かめていた。ゴム製のローレットがなく表面が光沢仕上げとなっているため、手袋などをしていると滑りやすそうだが気持ち強めに押さえることでフォーカス操作は可能だった。
見た目の印象ばかりが気になるが、画質について説明員に尋ねたところ、画質は4600万画素のFoveonイメージセンサーを使ったMTF測定器「A1」での全数検査が行われているため、そのデキには自信があるとのことだった。カメラメーカーにはできないようなこの個性的なデザインは、カメラのルックスを大事に思うミラーレスカメラユーザーの心に大きく響くのではないだろうか。
APS-C機専用の標準ズームレンズ「17-70m F2.8-4 DC MACRO OS」は、画質とコンパクトさを両立させたハイパフォーマンスレンズとなっている。ズームリングの操作感や全体の作りの良さ、余計な装飾をなくしたシンプルなデザインによって高級感が感じられるレンズに仕上がっている。
これらDNシリーズ以外の新ラインのレンズ向けに、レンズのファームウェアやフォーカス範囲などを細かく調整できる「USB DOCK」が発売される。これはUSB DOCKをPCに接続し、PCからファームウェアのアップデートやピント調整などを行うことができる製品で、各マウント用に発売が予定されている。Sportsラインのレンズに関しては、フォーカスリミッターの設定を細かく調整することも可能だ。


120-300mm F2.8 DG OS HSMに取り付けられたUSB DOCK(写真=左)、専用ソフトでレンズの設定を変更できる(写真=中央)、フォーカスリミッターをスライダーで調整しているところ(写真=右)ブースの奥には構成する部品ひとつひとつ対して「MADE IN JAPAN」にこだわる、シグマの取り組みが分かる展示が行われていた。日本のもの作りにこだわりながら、新しい流れを作り出そうという意気込みが感じられる同社のブースに注目だ。
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