DP3Mは四角いシンプルなボディにレンズがついたという、とてもミニマムなデザインとなっている。これがなかなかよい。何しろ機能も操作もシンプルなのである。
基本操作は電子ダイヤルと十字キーで行う。シャッター周りの電子ダイヤルは大きくてクリック感もしっかりあって回しやすい。デフォルトでは電子ダイヤルがプログラムシフトや絞り値のコントロールに、十字キーの左右が露出補正に割り当てられている。十字キーの上下はフォーカス系。上はフォーカスモード、下はAFポイントの移動で使う。
で、DP3Mで大きく進化したのがAFだ。
もともとDPシリーズが高速AFではない上、DP3Mは近距離までピントを合わせられるので、AFに待たされることがある。それを補うのがフォーカスリミット機能。フォーカスを合わせる距離を限定することで高速化を図ったり、背景にピントが抜けるのを防ぐことができるのだ。
デフォルトではマクロ(最短撮影距離から1メートルまで)、ポートレート、ポートレート&風景(ポートレートの距離から無限遠まで)と3種類用意されているが、さらにカスタムのフォーカスリミットをセットできるのがよい。
例えば「0.226メートルから0.5メートル」にするとマクロ距離のみにしかフォーカスを合わせないのでその分AFを速く正確にできるし、逆に2メートルから無限遠にセットすると遠めの被写体を撮るとき、素早くピントを合わせられる。
これは便利なのでよく使う距離に合わせたセットをつくっておくべし。
もうひとつ、新しく顔優先AFモードがついた。顔検出機能である。コンパクトデジカメやミラーレス一眼では何年も前から搭載されていた機能なのだが、DPシリーズでははじめてなわけで、ちょっとしたサプライズ。顔検出がついて驚かれるカメラってなかなかない。なお、DP1MやDP2Mもファームウエアアップグレードで顔検出AFなどDP3Mの新機能が使えるようになる。ファームアップで3モデルとも同等機能になるのは素晴らしい。
細かい設定は「QS」キーを使う。
QS(クイックセット)キーを押し、十字キーの上下左右で機能を選ぶという操作系は使ってみると実に素早く操作できる。例えばISO感度を変えたい場合、QS→上キーでISOを選び、電子ダイヤルを回すだけだ。
QSには2セット(QSボタンを押すたびに切り替わる)、合計8機能割り当てられる。そもそもDP3Mは多機能なカメラじゃないので、それだけあれば問題なし。
液晶モニタをみながら十字キーでカーソルを動かして選ぶのに比べれば、こっちの方がずっとシンプルで合理的だ。
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