ソニー独自の半透過ミラーシステム「トランスルーセントミラーテクノロジー」を搭載したレンズ交換式デジタル一眼カメラ「α」シリーズの新製品として「α58」が登場した。位置づけとしてはエントリークラスながら、有効約2010万画素“Exmor” APS HD CMOSセンサーや被写体の大きさを認識する「ロックオンAF」など、画質と使い勝手に留意したモデルとなっている。
曲線を多く用いたボディデザインは既存エントリーモデル「α57」に共通しており、なかなかグラマラス。本体サイズは約128.6(幅)×95.5(高さ)×77.7(奥行き)ミリ、約573グラム(バッテリー、メモリカード含む)とミラーレスカメラが普及している昨今では飛び抜けて小型とは言えないが、十分に小型軽量といえるだろう。
ボディは小型ながらグリップはやや大ぶりで、ホールド感の向上に寄与している。肩に入っている「α」のバッジがオレンジではなくシルバーなのは、シリーズ製品を知るものからすればさみしく感じるかもしれないが、精かんな印象であり、個人的にはなかなか格好良いと感じる。
ボタン配置はα57に比べると若干の変更が加えられており、α57ではシャッターボタンの隣にあった露出補正ボタンと、背面に用意されてた超解像ズームのボタン位置が入れ替わっている。露出補正ボタンが背面右上の角に来るこの配置ならば、「右手親指で露出補正ボタンを押しながら、電子ダイヤルで露出補正」という操作が右手でカメラを構えたままで行える。
ファインダーはエントリー機ながら144万画素相当・視野率100%の有機ELを搭載。一方で2.7型の背面液晶は約46万画素となっており表示画像は精細感に欠ける。エントリーモデルとはいえどもここはもう少しもう少し高いスペックの部品を搭載して欲しいところである。背面液晶は上下にチルトするので、ハイ/ローアングルでの撮影も容易だ。
機能面では新たに、ライブビュー映像から得られる被写体の色や輝度から、被写体の大きさを認識し、よりAFの精度を高める「ロックオンAF」を搭載した。いわゆる被写体追尾AFの性能向上として理解すればよく、対象物の大きさに合わせてAFフレームのサイズも変化することで、従来の追尾AFでは合焦できなかったような場合でもAFフレームが測距点にかかる割合が高くなり、結果として合焦率の向上が期待できる。
ただ、ロックオンAFを使用するにあたっては対象を画面中央に入れた後にセンターボタンで被写体の設定をしなくてはならないので、とっさの使用には不向きだ。また、AFフレームが15点用意されている測距点にかかる可能性は高くなっているものの、被写体が画面端など測距点が存在しない場所に移動してしまうと当然のことながら合焦できない。コントラストAFによって画面のほぼ全域が合焦点となるミラーレスカメラのような感覚で使っていると、思わぬピンボケ写真を撮りかねないので気をつけたい。
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