背面左上のライブビューボタンを押した場合は、ミラーアップが行われ、ライブビューが起動する。ライブビュー中のAFは、コントラスト検出方式に対応。その速度は、ミラーレスカメラには及ばないものの、一眼レフのライブビューAFとしてはまずまず速めといっていい。
撮影の付加機能としては、ボディ内手ブレ補正機構SRを利用して、カメラの傾きを検知し、CMOSセンサーを回転させて補正する「自動水平補正」や、センサーの移動・回転によってフレーミングを整える「構図微調整」、左右と前後の傾きを表示する電子水準器、一定間隔で自動撮影を行うインターバル撮影などを、従来モデルから継承する。連写は6コマ/秒に、動画はフルHD記録に対応する。
発色の調整機能である「カスタムイメージ」は、初期設定の「鮮やか」のほかに、「ナチュラル」や「雅(MIYABI)」「ほのか」「銀のこし」など全11種類に対応。そのすべてを前もって試し、自分にとって好きなカスタムイメージを見つけておくことをお勧めする。ちなみに筆者の場合は、適度な鮮やかさとメリハリ感を備えたカスタムイメージの「雅(MIYABI)」を選んだ上で、詳細設定からシャープネスをより線の細い「ファインシャープネス」に切り替える設定が好みだ。
これとは別に、エフェクト機能も豊富にそろう。撮影時に選べるデジタルフィルターは「トイカメラ」や「レトロ」など7種類が、再生時のデジタルフィルターは「水彩画」や「ミニチュア」など19種類がそれぞれ用意される。
撮像素子にはAPS-Cサイズの有効1628万画素CMOSセンサーを、画像処理エンジンには「PRIME M」をそれぞれ搭載する。感度はISO100〜51200に対応。ISO1600くらいまでは高感度ノイズは気にならず、用途によってはそれ以上の感度も実用的だ。
トータルとしては、小型ボディに多機能を凝縮した、中身の濃いエントリー向け一眼レフといえる。特に、最大効果3段分のボディ内手ブレ補正と、防じん防滴構造のボディ、アルカリ電池を含む複数のバッテリー対応は、ユーザーに安心感を与える本機の大きな魅力といえる。
惜しいのは、低価格ズーム使用時のAF作動音と、レリーズの瞬間の音と振動がやや大きなめなこと。また、コトンと鳴るセンサークリーニングの作動音も慣れるまでは少々気になる。多機能をシンプルにまとめたカメラなのに、これらの作動音がスマートさを損ねている印象を受ける。もっとも、本モデルが得意とするアウトドア用途では、音はあまり気にならないかもしれないが。
PENTAX K-50は、防じん防滴と耐寒性能を備えたボディを生かして、屋外のハードな条件下でも、気軽にスナップを楽しめるカメラだ。海辺や湿地、砂場、雨天、雪といった悪条件であるほど、ほかのエントリー向け一眼レフとの差がはっきりするだろう。また、個性的な交換レンズがそろうKマウントレンズの入門用ボディとしても選ぶのもいい。
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