キヤノン「PowerShot S」シリーズといえば、高級コンパクトデジカメの定番シリーズのひとつ。近年ではS90、S95、S100、S110と進化してきたが、2013年秋はS120とS200の2モデルが登場した。
S120はS110の後継となるモデルで、レンズをさらに明るくF1.8としたほか、画像処理エンジン「DiGiC」も最新版の「DiGiC 6」とした高機能モデル。一方でS200はスリムなボディに明るいレンズという基本コンセプトは踏襲しながら、各所を見直しで低価格を実現したスタンダードモデルという位置づけだ。
スタンダードモデルとはいえ外装に安っぽさはない。ややS110やS120に比べると角に丸みがましているが全体的な印象は変わらず、ボタンや継ぎ目の少ないフラット感も共通。歴代モデルとの類似という点では、S95(2010年秋モデル)の印象に近い。鏡胴付け根のコントローラーリングももちろん備えている。
シンプルさはボタン類にも共通しており、天面は撮影モードダイヤルとズームレバー一体型のシャッターボタン、電源ボタンのみ。背面は既存シリーズ製品と変わらずコントローラーホイールと4つの大振りなボタンが並んでいる。背面液晶のサイズは上位モデルのS120と同じ3型だが、解像度は46万画素に押さえられており(S120は92万画素)、タッチパネルも搭載していない。
搭載するレンズは35ミリ換算24〜120ミリ(F2.0-F5.9)の光学5倍ズーム。テレ端ではやや暗くなってしまうが、スタンダードモデルとはいえ高級コンパクトの製品として十分に立派なスペックとなる。この明るさのレンズを搭載しながら厚みを26.3ミリと押さえているのも立派だ。
なお、S120も同様の35ミリ換算28〜120ミリの5倍ズームレンズを搭載するが、ワイド端の開放F値がF1.8とより明るく、また、タッチパネル液晶を搭載する影響もあってか、厚みはS200より厚い26.9ミリとなっている。
S120に比べると外観上の差異は少ないが、数少ない違いのひとつが撮影モードダイヤルの項目。フルオートとP/A/S/Mの各マニュアル露出は共通するが、S200にだけ「LIVE」(ライブビューコントロール)の項目が用意されている。このモードでは、コントローラーリングが「暗く―明るく」「すっきり―あざやか」「寒色―暖色」の操作に割り当てられる。
撮影モードが「LIVE」であると、露出補正を含めたほかの撮影項目設定は行えず、実質的にはフルオート+上記3項目の調整となるが、撮影の専門用語を知らなくても仕上がりを操作できるので、意識的にカメラの操作をしたいと考え始めたエントリー層には歓迎できる撮影モードといえよう。
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