オリンパスのミラーレスカメラ「OM-D E-M1」(レビューまとめはこちら)を持って、紅葉を撮りに行ってきた。どんなデジカメでも初めて使う際は胸が高鳴り、ワクワクした気分になる。技術の粋を集めたフラッグシップ製品であればなおさらだ。
個人的には、ひとつ前のモデル「OM-D E-M5」を長らく使っていたので、E-M1の基本操作に戸惑うことはなかった。ボタンやダイヤルのレイアウトは一新され、より複雑で柔軟な操作が可能になっている。
本モデルに限った話ではないが、紅葉撮影でひとつのポイントになるのが、ホワイトバランスとピクチャーモードの設定だ。ホワイトバランスとは、撮影シーンの光源に応じて発色を最適化する機能のこと。ピクチャーモードとは、ユーザーの好みや狙いに応じて発色傾向を切り替える機能のこと。他社ではピクチャースタイルやピクチャーコントロール、仕上がりモードなどと呼ばれている。特にJPEGで撮る場合は、この2つをきっちりと設定することが欠かせない。
下の作例は、ホワイトバランスによる写りの違いを比較したもの。オート、晴天、曇天、日陰の順に赤みが強くなっていることが分かる。このうち、実際に目で見た印象に近いのはオートのカットだ。あえて少し緑が残る葉を選んでいるが、E-M1のホワイトバランスは正確に働き、オートのままで見た目に近い色になったといえる。
ただ、実際の色に近いのはオートだとしても、今回のような紅葉撮影では、撮影の狙いとして濃厚な色の「曇天」または「日陰」を選びたい。
以下の作例も、同じくホワイトバランスによる写りの違いを比較したもの。このシーンでは、やや青みがかった「晴天」も悪くないが、紅葉の鮮やかさという観点なら、やはり赤っぽい色合いの「曇天」や「日陰」が似合う。このあたりは、良し悪しではなく個人的な好みの問題だ。
次の作例は、ピクチャーモードによる写りの違いを比較したもの。i-Finish、Vivid、Natural、Flatの順に彩度が低くなっていることが分かる。鮮明な色彩感を表現したいなら、「Vivid」あたりがお勧めだ。この被写体の場合、「i-Finish」は鮮やかすぎて、どぎつい印象を受ける。
ただ、シーンによっては「Vivid」でも高彩度になりすぎることがある。下の作例のように、被写体がそもそも鮮やかな場合は、彩度が強調される「i-Finish」や「Vivid」では色が飽和してしまう。「Natural」や「Flat」のほうが自然で好ましく感じる。
個人的な結論としては、ホワイトバランスは「曇天」を、ピクチャーモードは「Vivid」をそれぞれ紅葉撮影のベースとし、あとはシーンに応じてその都度調整したいと思う。
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