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第171回 夜景とイルミネーションと雰囲気の関係今日から始めるデジカメ撮影術(2/4 ページ)

» 2013年12月13日 12時36分 公開
[荻窪圭,ITmedia]

 ではイルミネーション。木の幹にぐるぐるとLED付のケーブルを巻き付けてイルミネーションにするっていうよくあるパターンから。

 ただ普通に撮っても面白くないので、手前にある木を右側にボカして入れてみた。特に露出補正などはせず、絞り優先で撮っている。イルミネーションはきれいだけど、照らされた葉っぱも見えててちょっと生々しい。

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 こういうときはマイナス補正をして、光以外をシルエットにしてやる。そうすると歩く人や建物や葉っぱがシルエットになって、イルミネーションらしさが増す。

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 このくらいなら三脚がなくてもたぶんなんとかなる。続いて、ぐっと絞り込んでみる。そうすると点光源からきれいに光芒が出る上、ピントの合う範囲が広くなるのでくっきりした絵になる。

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 でも肉眼だともっと華やかに見えたのにっ。

 そんな風に感じたら、思い切り明るく撮って「明るい夜景」にしてみよう。そうすると雰囲気ががらっと変わるのだ。全体がものすごく明るくなって、こっちの方が「不夜城の大都会」的だ。まぶしすぎるくらい。

photo 露出オーバー気味にしたうえで、絞り込んでみた

 同じ場所で撮ってもこれだけ雰囲気が変わるのだ。どっちがいいか悪いかという問題じゃなくて、その場の雰囲気をどう写したいかという話。イルミネーション主体で形をとらえたいなら暗めに、都会の賑やかさを出したいなら明るく。

 さらにもうひとつ、わざとピントをずらして光だけを撮るってのも実はなかなか面白い。少し暗めにしてマニュアルフォーカスにしてピントをずらしてやる(手前にずらすといい)。

 すると、こうなります。

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 ボカすと光源がふわっと大きく写るので、光だけでもけっこういい感じになるのだ。どこのイルミネーションかという場所性は消えちゃうけど、光だけを残すにはよい。

 ボケの大きさは絞り値で変わる。上の写真はF8なのでそれほど大きくボケてない。次の写真はF2.8で撮ってる。前景の木にピントを合わせつつ、後ろの大きくボケたイルミネーションを見せたい感じ。つけているレンズが中望遠なので、絞りはF2.8だけれど背景の光のボケがすごく大きくなり重なってふわっとしてる。

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 お次はもうちょっと派手なイルミネーションを。

 これイルミネーションはきれいだけれども、めまぐるしく点滅して波のような動きを出しているので、シャッタースピードを遅くすると単にイルミネーションが光ってるだけになっちゃう。

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 そういうときはシャッタースピードをもう少し速くして、動きが多少出るようにしていろんなタイミングで撮ってみるといい。さらにさっきのようにボカすとこんな感じになる。

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 ふわっとぼけた中にアーチ状の光が重なって幻想的になりました。

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