さまざまな「写真展」を随時紹介していく本コーナー。今回は銀座ニコンサロンで、2014年7月16日から開催予定の城野智子写真展「結界」を案内する。
東京23区の最も南に位置する河川敷に人の暮す土地がある。
かつてその地は江戸時代から続く砂利採取が盛んに行われた地であった。砂利採取は明治以降に需要が拡大し、関東大震災、戦後の混乱、高度経済成長期を経て、東京の近代化の影として歩んできたが、1965年にその歴史を閉じた。その後、ある場所では一部の残った砂利採取事業者に住民登録が認められ、またある場所ではホームレスの村が自然発生し、この地に類い稀な秩序が生まれた。
こうして半世紀もの時間が流れ、国も都も誰もその土地に手出しが出来なくなっていた。
結界は張られたのだ。
舗装されていない道路に掘立小屋、電気、ガス、水道も通っていない、人の暮すその土地は、我々が暮す土地の道一本隔てた向う側、鬱蒼とした叢の向うに、今も静かに存在している。
カラー約50点。
名称 | 城野智子写真展「結界」 |
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開催期間 | 2014年7月16日(水)〜7月29日(火) |
開館時間 | 10時30分〜18時30分(最終日15時終了) |
定休日 | 無休 |
入場 | 無料 |
会場 | 銀座ニコンサロン |
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