シスコ、超ハイエンドコアルータ「CRS-1」国内でも発表

シスコシステムズは、通信事業者向けの超ハイエンドルータ「Cisco CRS-1」を国内発表した。分散型のマルチシェルフアーキテクチャを採用し、常時稼働/柔軟なサービス/拡張性を可能にした。

» 2004年06月29日 19時07分 公開
[堀 哲也ITmedia]

 シスコシステムズは6月29日、通信事業者向けの超ハイエンドルータ「Cisco Carrier Routing System-1」(CRS-1)を国内発表した。分散型のマルチシェルフアーキテクチャを採用し、常時稼働/柔軟なサービス/拡張性を可能にした。

CRS-1 ラインカードシェルフをクラスタ化してマルチシェルフとして拡張できるCRS-1

 シスコが満を持して発表したCRS-1は、大規模キャリアなどのコアに利用される超ハイエンドルータだ。単体でラインカードを16枚搭載し1.2Tbpsを処理。このラインカードシェルフを最大72台クラスタ化することで、単一システムとして92Tbpsを処理する。OC-768c/STM-256cの40Gpbs回線を収容できるWANインタフェースも業界で初めて対応した。「市場に出ている既存のルータのざっと100倍以上の性能を持つ」(米Cisco Systems 上級副社長兼ルーティングテクノロジーグループゼネラルマネジャー、マイク・ボルピ氏)大型ルータだ。

 現在、通信事業者は増え続けるインターネットトラフィックをさばきながら、価格競争の激しいIPサービスを提供し、電話/専用線/フレームリレー/ATMといった既存のサービスを維持しなければならない複雑な事業環境にある。CRS-1はこれまでサービスごとに構築してきたネットワークをIPネットワーク上に統合化でき、通信事業者の抱える課題を克服できるという。

 シスコは、CRS-1開発に4年の歳月を掛けてハードウェア/ソフトウェア双方からこれまでのルータアーキテクチャを見直し、5億ドルの開発費を投じた。同社によれば、「高い拡張性を備えながらシンプルな運用」「高い可用性を備えながら柔軟なサービス提供」「高いパフォーマンスと高度な機能」という理想的なシステムを可能にしたという。ルータでなく“ルーティングシステム”の名を持つのも、既存のルータの概念を超えるためだ。

耐障害性を考えた実装、サービスを止めずに運用可能に

 「これまでのコアルータは時が経つとエッジで使われるようになっていた。次世代のコアルータとしてこれよりもっと大きなものを作っても意味がない。根本的に違うアプローチに立った」とボルピ氏は話す。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ