DellのロリンズCEO、EMCとの関係とストレージ標準について語るInterview

2002年以来、EMCのローエンドとミッドレンジのストレージアレイのリセラー/メーカーとして強固な提携関係を結んでいるDell。ロリンズCEOは、EMCとの関係や、複雑化するSANの管理を容易にするための標準の開発状況を語った。

» 2004年10月28日 19時05分 公開
[IDG Japan]
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 Dellは2002年以来、EMCのローエンドとミッドレンジのストレージアレイのリセラーおよびメーカーとして同社と強固な提携関係を結んでいる。両社の提携が緊密化する一方で、ストレージ関連のDellの年間売上高が15億ドルを突破するという状況の中、Dellのケビン・ロリンズCEOは、独立したストレージベンダーとしての自社の立場を鮮明に打ち出しながらもEMCとの良好な関係を維持するという難問に直面している。

 ロリンズ氏は10月26日、Storage Networking WorldにおいてComputerworldの取材に応じ、EMCとの関係、そして複雑化するSAN(Storage Area Network)の管理を容易にするための標準の開発状況について語った。

―― プレゼンテーションではしきりに標準について話していましたね。標準化団体のメンバーを務めるほかに、Dellは標準化に向けてどんな活動をしているのですか?

ロリンズ われわれは標準化作業に携わるだけでなく、標準を推進しようとしているのです。われわれのこういった取り組みに対し、早急な標準化を望まない大手プレーヤーも2〜3社存在します。

―― それはどういう理由からですか?

ロリンズ 彼らは独自の技術を持っており、業界標準ができればそれを手放さなければならないからです。これはユーザーにとって選択肢が広がり、ベンダーを鞍替えしたり複数のベンダーの製品を組み合わせたりできるようになることを意味します。

―― 標準化を望んでいないベンダーの名前を教えてください。

ロリンズ それは差し控えたいと思います。Storage Networking Industry Associationの議論で微妙な問題になっているからです。しかし状況は良い方向に進んでいます。時として抵抗もありますが、全般的には業界は前進していると思います。

―― iSCSIに関してDellではどんなことを計画しているのですか?

ロリンズ 当社の第4四半期に製品を投入する予定です。

―― それはディスクアレイですか、それともネットワークデバイスですか?

ロリンズ まだお話しするわけにはいきません。

―― ストレージネットワーキングでiSCSIがFibre Channelに取って代わると思いますか?

ロリンズ すぐにそうなることはないでしょうが、iSCSIはいずれFibre Channelにとって大きな脅威になるでしょう。

―― Dellがストレージ市場のハイエンド部分を目指す一方でEMCがローエンド部分に進出すると、互いに競合することになりませんか?

ロリンズ それほど競合することはないでしょう。当社のビジネスは主として中小企業市場をターゲットとするからです。われわれが提携しているのもそのためです。

―― 今後、EMCのハイエンドシステムをDellが生産する可能性はありますか?

ロリンズ たぶんそうなるでしょうが、まだ分かりません。問題もあります。EMCがチャネルパートナーを通じてそれを販売すれば、これらのパートナーは当社から仕入れにくくなります。これまでのところ、こういったやり方は得策ではありません。

―― DellとEMCが合併する可能性はありますか?

ロリンズ それはないと思います。両社が提携したのは、当社は市場へのアクセスを持っており、EMCは技術を持っていますが、それを販売するルートを持たないからです。合併を目指していると表明したことはありません。EMCも独立企業でいることを望んでいると思います。両社が一緒になる必要はなく、そのメリットも感じられません。



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