楽天のビジネス拡大を止めないためにIBM Software World 2005(3/3 ページ)

» 2005年05月18日 17時01分 公開
[谷川耕一ITmedia]
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 そこで利用されているのが、InformixのUpdate-Anywhere Replicationだ。レプリケーションにより、システムを3カ所に分散させる。Update-Anywhere Replicationは、マルチマスター形式なので、どのシステムでも更新、参照が可能だ。そのため、1台を切り離してメンテナンスを行い、終了後に接続して同期をとればシステムを一切止める必要がない。

 この方法のデメリットは、ディスク容量が共有ディスク方式の3倍となること。しかしながら、システムが扱う内容によっては、コストがあがってもこの方式を採用している。

 楽天では、適材適所にあえて複数のDBMSを採用する。適宜MySQLなどのフリーのデータベースの採用で、全体のコストを抑える工夫をしているのだ。

 安武氏が最後にIBMへの要望として挙げたのは、「ブランド、教育、エンジニアの確保」というキーワード。Informixのブランド力を再度上げて、教育のプログラムを拡充させ、エンジニアを育成してほしいということだ。さまざまな技術的な工夫をするためには、高いスキルの技術者をいかにして確保するかが課題であり、その解決が止まらないシステムを構築するには欠かせない要件となる。

 「裏方の苦労が表に出ないようにするのが、技術者としての使命。今回のセミナーに参加している方々には、ちょっとだけこういう苦労があるということを思い出していただき、楽天でお買い物をしていただければ嬉しい」技術者の本音が、この言葉によく現れている。

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