IT部門のリストラの進み方ITは経営戦略の実現に貢献しているのか(4/7 ページ)

» 2005年05月19日 00時00分 公開
[大野隆司(ヘッドストロングジャパン),ITmedia]

システム構築でも、システム部は脇役に

 前回、前々回で述べたように、ITの適用は、あくまでもオペレーションの構築において必要な場合にのみ行われることになっていく。従来は、SCMのパッケージありき、ERPパッケージありきでの新オペレーション構築プロジェクトといったものも多くみうけられたわけだが、今後このようなかたちでのオペレーション構築、プロジェクトの成立は難しくなる。

 では、企業は今後どこに労力をかけるのかといえば、オペレーションの検討や設計について、企業はより多くの時間や知恵を投入して、練り上げていくことが必要になってくる。この領域への投資の必要性をいままで以上に強く認識することになるだろう。

 そして、この領域に十分な投資を行うことが、結果的にはIT投資額を抑制することになると実感することになる。というのも、現状でも、開発自体にかかる投資額と、それ以降の投資額を比較すると、後者の方が圧倒的に大きいのが一般的な状況であるからだ。

 このようなオペレーション構築への取り組みは、システム構築を伴う、伴わないにかかわらず、業務担当者、つまり、オペレーション側の責任で進められていく。そして、ここでのリーダーは、システム部門ではなく、オペレーション部門の人材から選出されるだろう。従来のように、システム部門を中心としてプロジェクトを立ち上げ、システム部門がマネジメントしていくケースは少なくなっていくといわざるを得ない。もちろん、システム構築部分に関しては、システム部門がマネジメント、リードを担当することはありうるわけだが、この部分についても次節で述べるように役割は大きく変化することになる。

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