また、livedoor Blogでは12月14日に法人向け有料ブログサービス「livedoor Blog BUSINESS」の提供を開始した(関連記事)。既存の有料サービス「livedoor Blog PRO」よりも高機能を特徴の一つ。利用料金は年額一括払いのみで4万9800円。
ライブドアの写真を共有できるフォトシェアリングサービス「livedoor PICS(ピクス)」は12月5日、外部から写真の登録や参照などが可能なWebサービス機能の提供を開始した(関連記事)。本機能を利用することで、「livedoor グルメ」のページを参照しながら「livedoor PICS」に写真アップロードが可能になる。
ポッドキャストが一つの流行になっていることは「7分で分かる11月のBlog界」でも挙げた通りだが、企業ソリューションとしての利用も始まっている。
企業がWeb利用の広告戦略を行うことは当たり前となっているが、効果として多様性を求めていることも確か。これまでのテキストや画像主体のものから、動画や音声によるものへと注目が集まっているのだ。
ニフティは12月12日、ブログサービス「ココログ」とポッドキャスティングの仕組みをソニー銀行(通称、ソニーバンク)のプロモーションサイトで展開する「from MONEYKit(フロムマネーキット)ポッドキャスティング」への提供を発表した(関連記事)。自社のポッドキャスティング専門サイト「Podcasting Juice(ポッドキャスティング ジュース)」で、2005年12月12日〜3月10日の3カ月間、期間限定で配信するものだ。
ニフティでは、8月にもポッドキャスティングを利用した企業プロモーションとして日本コカ・コーラと缶コーヒー「ジョージア」のプロモーションサイト「Radio GEORGIA Special Dream Navigators」を提供開始しており、今回はその第二弾になるという。
今後、企業によるポッドキャスト利用の流れが進んでいくのかどうか注目すべきところだ。
企業でのCMS・ブログツールの利用が進んでいるが、同時に自治体など公的な場でもMovable TypeなどCMS・ブログツールの利用が始まっている。
その一例として12月には、福島県の会津坂下町がCMSツールのZopeを活用したサイトを開設したことをゾープ・ジャパンが発表している(関連記事)。従来のWeb配信からCMS・ブログツールを利用したサイト構築に移行することで、ユーザーとのコミュニケーション促進や、更新のしやすさにも寄与する狙いがいっそう高度になっていくのか。今後に注目したい。
また、ゾープ・ジャパンは12月6日、Zopeの最新バージョン「Zope 3」の開発者向けトレーニングコース「Zope 3 for Developers」の募集を開始している(関連記事)。
12月1日にドリームネッツは、9月1日より正式サービスを開始していたビジネス専門のブログ構築ポータルサービス「ドリームブログ」(関連記事)の運用で蓄積された機能とノウハウを集約したブログポータルシステム「ドリームブログ・ポータルエンジン」を、3つの基本パッケージでリリース開始した(関連記事)。
ブログサービスなどの急増に比べて、まだこれからといえるのがRSSリーダー動向だ。
RSS配信を始めているサイトも増えているが、まだまだRSSリーダーを活用しているユーザーの数はブログユーザーに比して少ないように思える。2006年はRSSの活用がどこまで伸びるかがカギとなるだろう。
レッドクルーズは12月19日に、10月31日よりテスト公開されていたRSSリーダー「eクルーザー」の新バージョンを公開した(関連記事)。このバージョンからは画像のRSS配信に対応しているのが特徴だ。
またクエストコムは、ケータイ用のRSSリーダー「RSSアイ」を開発し、2月1日にリリースすると発表した(関連記事)。「RSSアイ」は、9月より「どこでもニュースリーダー」の名称でα版を公開しているバージョンアップ版として再リリースされるもの。なお、α版の利用者数は12月12日時点で933名。
また、RSSを利用した広告配信の動きにも新しいものがあった。
サイバーエージェントは12月12日、同社が提供中のブログに特化した広告配信サービス「BlogClick」において、ドリコムが同日20時前後からスタートした新サービス「ドリコムRSS」との業務提携を発表した(関連記事)。
また、ネットエイジグループでRSS広告事業を行うRSS広告社は、世界初のコンテンツマッチ広告配信Webサービス「RAWS(RSS Ad Web Service)」の開発を開始、β版を1月には提供する予定であることを12月2日に発表している(関連記事)。これにより、あらゆるインターネット関連事業者に対して、新たな収益化システムを提供可能になるという。
RSSを利用することでトレンド(流行)を知る――gooブログが提供している「トレンドランキング」が知られており、それを利用して筆者も雑誌に寄稿したことがある。
同様のシステムとして大日本印刷(DNP)が開発した、約35万のブログサイトが発信するRSSを収集・分析して、ブログユーザーで話題の中心となっている語句(トレンドキーワード)を抽出するシステムも注目されるところだ(関連記事)。
これを受けてDNPの子会社で、無料ポイントサービス「マイポイント」を運営するマイポイント・ドット・コムは、トレンドキーワードを日替わりで発信するサイト「BLOG360(ブログサンロクマル)」を12月14日に開設した。
ブログからトレンドを知ることは、個人ユーザーだけでなく、企業側にもメリットが大きい。今後、その精度が期待されるところだ。また、DNPが表明している個別のキーワードのスコアをさらに解析していけば、その需要はさらに高まるだろう。
ヤフーといえば「Yahoo!ブログ」を提供しているが、米Yahoo!が自社のホスティングサービスでMovable Typeを利用すると12月12日に発表した(関連記事)。これはあくまでも米Yahoo!の動向であり日本の話ではないが、2006年以降に日本でも何らかの動きがあるのかどうか、注目されるところだ。
さて、最後に2005年のブログ界を振り返ってみたい。
1月は、「実録鬼嫁日記」などブログの書籍化が加速され始めた。そして何よりもYahoo!ブログの導入が大きなニュースだった。
2月は、容量アップ競争が激化、Gバイト化が加速した月だった。
3月は、「個人情報保護法」に対応するべく、プライバシー関連の規約改正などが目立った。特に、ブログで行方不明の娘を探した件など、プライバシーを考えさせられる月となった。
4月も引き続き個人情報保護法に関連する事例があったが、ブログサービスを包括するようなサービスの拡張などが目立ち始めていた。
5月には、総務省の統計が発表された。国としてもブログの普及が見逃せないようになってきているのだ。
6月は、ブログ記事検索サービスに注目が集まると同時に、慢性的な負荷問題も解決の糸口は見えていなかった。
7月には、以前から問題化していたトラックバックスパムが大きな問題となって浮上した月だった。その対策は未だに続けられている。
8月と9月は、衆院の解散・総選挙という流れを経て、ネットと選挙がクローズアップされた。この件に関しては今後の法改正などに注目しなければならない。
10月はブログ出版を加速させるブログサービスを特定せずに出版可能なサービスの出現に驚かされた。また、ブログパーツのリニューアルも目立った。
11月は“ブログ”が一般のニュースでも広く報じられた。殺人未遂容疑の少女が、ブログでその様子を記していた、という事件が話題となった。
12月。2004年もそうだったが、やはりこれまでに提供されてきたものにプラスαの要素を加えるという拡張が目立ってきた。そして、自治体なども利用する方向が始まっている。これらの動きが2006年のブログ界をどの方向に向かわせるのか、注目だ。
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