IntelとAMDは、それぞれ自社のプロセッサに仮想化を導入しているところだ。両社は、それによって仮想化ソフトの性能が向上し、仮想化技術がもっと主流になると主張している。
Intelが取り組んでいる別の機能は、ユーザーがXMLベースのWebトラフィックの増加に容易に対応できるようにするものだ。Intelはデータを高速化する「I/O Acceleration(I/OAT)」技術をプロセッサに組み込んでいる。同社は現在、同様にXMLにもフォーカスしている。XMLトラフィックは既に電子メールのトラフィックを超えており、来年までにはWebトラフィックを超えるだろうとゲルシンガー氏は話した。
ユーザーの管理機能を強化するIntelの次世代「Active Management Technology(AMT)」は、ブレーカーのような機能でネットワーク保護を強化する技術を提供する。
さらに、Intelはオンチップセキュリティ機能「LaGrande」の仕様を公開した。
性能を高めつつ消費電力を抑えるデュアルコアおよびマルチコアプロセッサは、今後も重要な役割を演じるだろうとゲルシンガー氏は語った。今年後半に登場予定のデュアルコアXeon MP「Tulsa」は、メモリスペアリングなどプロセッサの信頼性を高める機能を多数備える。
Hewlett-Packard(HP)のエンタープライズストレージ・サーバ部門副社長兼CTO(最高技術責任者)ゲリー・キャンベル氏は、同社はProLiantサーバ、ブレードシステム、ワークステーションをデュアルコアの「Woodcrest」「Dempsey」プロセッサで刷新する予定だと語った。
HPはこれら電力効率を高めたプロセッサと、システムレベルの技術――小型フォームファクターのSerial Attached SCSIドライブなど――を併用して、顧客が電力や熱の問題に対処する手助けをする。HPはIntelとAMDのプロセッサの両方を採用している大手OEMベンダーの1社。
今年後半に登場予定の「Conroe」は、性能が40%向上し、消費電力は40%削減されるという。
ゲルシンガー氏は、Intelのデュアルコア計画は順調だと語った。同社は、年内に出荷されるサーバプロセッサの85%、クライアント向けプロセッサの70%がデュアルコアになると予測している。4コアプロセッサは来年、Intelが45ナノメートル製造プロセスに移行したときに登場すると同氏は述べた。
同氏はDellのシステム3台を収納したラックを披露した。うち2台は「Dempsey」と「Woodcrest」を搭載し、3台目は4コアXeon「Clovertown」の初期版を搭載していた。
また同氏は、基調講演のプレゼンテーションは、4コアクライアントプロセッサの初期版を搭載したPCで行ったことを明らかにした。
業界アナリストの1人は、単純なクロック周波数の向上から、プラットフォームアプローチへと移行する数年にわたる混沌とした戦略転換の末に、Intelは2001年の、もっとスムーズに動いていたころに戻りつつあると指摘する。
「Intelは確かに軌道に戻りつつある」とInsight 64のアナリスト、ネイサン・ブルックウッド氏は言う。「同社が今日示したのは、新しいアーキテクチャが性能の点で目覚ましいということ、そして電力効率も素晴らしいということだ」
これはユーザーにとっては朗報だ。AMDとIntel、どちらかが独走しているのではなく、両社から高品質の製品が出てくるからだと同氏は語る。
「片方ばかりがサーブして、もう片方がそれを打ち返せないテニスの試合を見ても楽しくない」(同氏)
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.