エコシステムの構築で中堅企業向けビジネスに注力するIBM

IBMは中堅企業向けのビジネス戦略について説明する記者向けのブリーフィングを都内のホテルで開催した。

» 2006年04月25日 18時50分 公開
[怒賀新也,ITmedia]

 IBMは4月25日、中堅企業向けのビジネス戦略について説明する記者向けのブリーフィングを都内のホテルで開催した。来日した米IBMのグローバルミッドマーケットビジネス担当ジェネラルマネジャー、スティーブ・ソロッツォ氏は、「中堅企業の経営者の考えが、コスト削減から成長へと明確に転換している。市場規模は非常に大きい」とし、今後さらに中堅企業市場に注力する考えを明らかにした。

米IBMのグローバルミッドマーケットビジネス担当ジェネラルマネジャー、スティーブ・ソロッツォ氏

 実際に、ワールドワイドにおけるIBMの中堅向けビジネスは全体の20%を占め、成長率も最も大きいセクターだという。そこで同社は、ERPやBI(ビジネスインテリジェンス)、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)などのビジネス面、セキュリティやストレージ、モバイル、アプリケーション統合などのテクノロジーの両面から中堅企業を支援する。

 同社の2006年の中堅市場向けの戦略では、中国、インド、ポーランド、ブラジルなどの成長率の大きい国や地域、技術ではワイヤレス、デジタルメディア、オンラインゲームなどの市場を具体的に挙げ、さまざまな形で注力するという。

 また、ソリューションへのフォーカスも重要なポイントになる。ビジネス分野では、SAP、Oracle、インテンシア(米Lawson)などのアプリケーション製品や、PLM(製品ライフサイクル管理)、リーン生産などの生産管理手法、テクノロジー分野ではビジネス継続性を維持するための各ソリューション、SOA(サービス指向アーキテクチャ)、セキュリティ、ITリソース管理などを具体的な分野として挙げている。

 同社の戦略のポイントは、こうしたハードウェアやソフトウェアをIBM自身だけではなく、国別、地域別のビジネスパートナーを経由して提供することにある。これにより、IBMとビジネスパートナー、ユーザー企業の間にエコシステムを作り上げる考えだ。

 このほか、IBM Global Financingや中堅企業向けの製品シリーズである「Express」の販促にも注力することが紹介された。

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