ITmedia 最近、日本の一部のISVらは、より大きな市場を求めて海外に目を向け、拠点を展開し始めています。
ダンカン 製造業向けソリューションのクラステクノロジーが良い例でしょう。同社は日本やアジア以外の市場でもソリューションやサービスを提供したいと考えており、われわれはPartnerWorld Industry Networksを介して彼らの展開を支援しています。パートナーの成功がIBMの成功なのです。
SAPやOracleらのアプリケーション大手が、アプリケーション市場に占めるシェアはわずか15%にすぎません。残りは数千もの小規模なISVらが顧客のニーズに合ったソリューションを提供しているのです。PartnerWorld Industry Networksは世界中のISVを対象とし、自動車、製造、金融、ヘルスケア、小売り、通信といった業界ごとに特化した支援を行っています。
われわれはテクノロジーやサービスのリーダーなのですが、顧客が求めているのはソリューションです。顧客のニーズにこたえるアプリケーションが必要なのです。そこでIBMではパートナーとの協業を介して、魅力的なポートフォリオの拡充に努めているのです。
ウィルキンズ クラステクノロジーは小規模なISVですが、そのテクノロジーやソリューションは決して侮れません。得意とする分野に絞っていて、その分野ではだれにも負けないアプリケーションを提供しています。SOA(サービス指向アーキテクチャー)に対応した最新のソリューションでもあります。日本生まれのアプリケーションですが、世界のどこへ持っていっても通用するくらいの革新が行われているのです。
ITmedia パッケージアプリケーションの主戦場というと、中堅・中小企業(SMB)市場を思い浮かべるのですが、この市場にどのようにアプローチしようとしているのですか。
ダンカン IBMにおけるSMBの売り上げは200億ドルに上り、最も成長している市場です。専任の組織をはじめ、多くのリソースを配置しているほか、Express製品を投入してポートフォリオも拡充しています。しかし、この市場は非常に多岐にわたっていて、先ず顧客にリーチすることがわれわれの課題となっています。
この市場で明確なのは、SMBはITに対して選択の自由や柔軟性を求めています。特定の環境に縛られるのではなく、どの環境でも動作させたいと考えています。また、自社のビジネスを理解してほしいと願っています。だからこそ、それぞれの業種ごとの視点が必要になり、われわれもPartnerWorld Industry Networksで取り組んでいるわけです。
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