期待も大きい「ネット金融2.0」Web2.0型金融ビジネスは成り立つか(2/2 ページ)

» 2006年07月24日 08時00分 公開
[アイティセレクト編集部,アイティセレクト]
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 Web2.0を使いこなせるのは、やはり新しい開拓者。その役割は今、GMOインターネット証券が「たった一人で」担っているというのが現状のようだ。とはいえ、そこで成功すれば、既存のネット証券をはじめとする競合各社が追随してくるのは間違いない。逆に言えば、そうした競合各社は今、GMOインターネット証券の一挙手一投足をつぶさに見ている状態――90年代後半に大手証券会社がネット証券誕生の現象を様子見していたのと同じ状態――ということである。果たして、Web2.0型金融ビジネスは生き続けるか。「金融業界はまだまだ閉鎖的。Web2.0に関する知識は乏しい。それだけにGMOインターネットの今後の活躍は楽しみだ」(村田氏)。その成否のカギは、GMOインターネット証券の若き代表取締役社長である、高島秀行氏の手に委ねられているのかもしれない。

GCIキャピタルとは

http://www.gci-klug.jp/

 GCIアセット・マネジメントとFXCMジャパンの2社を100%子会社とする投資サービスプロバイダーである。GCIアセット・マネジメントは一言でいうとヘッジファンド。オルタナティブ投資に特化した投資信託を得意としている。一方、FXCMジャパンは、オンライン外国為替証拠金取引を提供している。つまり、為替のネット取引サービスだ。

 為替は最近、一般個人にも徐々に浸透し始めている。とはいえ、認知度はまだ低い。その普及活動に力を注いでいるのが、GCIキャピタルのコンテンツ事業準備室である。そこでは「klug(「クルーク」と発音。独語で「知恵」「賢い」を意味する)プロジェクトチーム」(http://www.gci-klug.jp/)が組織され、日々奮闘している。現状では、同社のアナリストによる為替ニュースがRSSで24時間配信されている。

 ニュースといっても、市況に合わせたアナリストの「感想」だ。同様のサービスはロイターやダウ・ジョーンズでも提供されているが、どちらも有償で、ネットには公開されていない。

 「(為替の分野で)こういうことをネットで、しかも無償でやっているところはほかにない。(株式と違って)この分野はそれだけ遅れている。だから、この分野ならぼくらでも勝てる。そこで、今は為替の情報提供に資源を集中し、為替取引をするにあたって個人投資家が必ず見るサイト、見ないと為替取引ができないといわれるほどのサイトに育てていきたい」(村田氏)

 今後は、GCIキャピタルの社員に限らず、一般個人に情報を書いてもらうことを考えているとか。株式でも為替でも、だれもがアナリストでありエコノミスト。プロ野球の試合を見ながら解説者になっている視聴者と同じ――という考えだ。その図式を持ち込むという、面白いことを手掛けようとしている。


GCIキャピタルのコンテンツ事業準備室「klugプロジェクトチーム」が展開するサイト
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