猛暑のニューヨークでIBMが「クールな」Opteronサーバを発表(3/3 ページ)

» 2006年08月02日 05時03分 公開
[浅井英二,ITmedia]
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 消費電力当たりの性能に優れたOpteronプロセッサも「CoolBlue」の重要な要素だが、IBMではハードウェアやソフトウェアのさまざまな技術をエネルギー効率の改善やコストの削減のために用意している。一連のツールを活用することによって、CIOはデータセンター全体の電力消費を「計画」「監視」、そして「制御」できるようになるという。

 下の画面は「IBM PowerExecutive」のコンソールだ。実際の消費電力や熱排出をメーター表示してくれるだけでなく、消費電力の上限を設定できるほか、将来のバージョンではポリシーに基づいて動的に電力を再配置できるようになるという。

システムごとやラック単位の消費電力、排熱量、それらの傾向などをコンソールに表示するPowerExecutive

水冷パネルや仮想化もCoolBlueの一環

 プレス発表会では、「Thermal Diagnostics」もプレビューされた。データセンター全体の温度分布を監視し、熱が高くなっている位置を把握し、その解消に役立てるアナライザーだ。

 IBMではまた、メインフレームにおける40年の経験を生かし、「Rear Door Heat eXchanger」と呼ばれる水冷式の冷却装置も開発している。通常、ブレードサーバやラックマウント型サーバは前面から空気を取り入れ、熱を背面に排出する。パネル状の冷却装置をラックの背面に取り付けることで、熱排出量の50%を取り除くことができるという。ちなみにRear Door Heat eXchangerは汎用性が高く、どのメーカーのラックにも装着できるという。

 さらには、仮想化技術も「CoolBlue」の取り組みの一環だ。

 下のグラフは、BladeCenterの使用率と消費電力の関係を表したものだが、使用率が25%と75%のときの消費電力をそれぞれ見てほしい。使用率が3倍になったのに消費電力は1.5倍に過ぎない。つまり、仮想化技術を活用して使用効率を高めることが消費電力を抑えることにつながることがここから分かる。

BladeCenterの使用率と消費電力の関係。使用効率を高めても消費電力がそれほど上がらないことが分かる

 x86サーバはラックマウント型で一気にコモディティー化が進んだが、ブレードサーバではゲームのルールが変わり、コンピューターベンダーとしての総力が問われそうだ。

 なお、この日発表されたのは、いずれも次世代のOpteronプロセッサを搭載する「BladeCenter LS41」(2〜4ウェイ)、「BladeCenter LS21」(2ウェイ)、「System x3755」「System x3655」「System x3455」で、価格や出荷時期は、Opteronがリリースされる第3四半期に明らかにされるという。

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