特集
» 2007年01月24日 07時00分 公開

セールスフォースに続く「黒船SaaS」の奇襲「SaaS」の未来やいかに 第6回

SaaSを積極的に標榜し、日本市場での浸透を図る、CRMとSFAのオンデマンド専業大手、セールスフォース・ドットコム。それが徐々に表面化し始めた2006年、新たにSaaS専業大手が日本市場で名乗りを上げた――。

[富永康信(ロビンソン),アイティセレクト編集部]

SaaS専業大手の日本上陸

 SaaS(Software as a Service)専業大手のネットスイートは、オラクルの創業者、ラリー・エリソン氏と、同社に在籍していた天才デベロッパー、エヴァン・ゴールドバーグ氏によって1998年に設立された。

 主力製品「NetSuite」は、ERP、CRM、Eコマースの3つを統合した、カスタム可能なビジネスソリューション・スイート。「スイート」となっているが、3つの独立したアプリケーションを寄せ集めたものではない。中心に据えたデータベースをコアとし、それを共有しながら3つのアプリケーションがリアルタイムに動くものとなっている。

NetSuiteの統合ビジネスソリューションのイメージ図

 ネットスイートが日本に上陸したのは2006年5月。日本法人設立とともに「NetSuite CRM」とその上位版にあたる「NetSuite CRM+」で日本語版サービスを開始した(それぞれ「NetSuite CRM for Japan」「NetSuite CRM+ for Japan」で、月額1万1000円、同1万5000円)。NetSuite CRMが、SFA、マーケティングオートメーションおよび顧客サポート/サービスを基本機能としているのに対し、NetSuite CRM+では、注文管理、インセンティブ管理、プロジェクトトラッキング、パートナーマネジメントなどもできるようになっている。

業界標準の開発環境でカスタマイズ性を促進

 また、11月にオンデマンド・プラットフォーム「SuiteFlex」を用意し、ユーザーに無償提供を始めた。セースルフォース・ドットコムが10月に発表したマルチテナント型プログラミング言語/プラットフォーム「Apex」(1月15日の記事参照)に相当する製品で、簡単なユーザーインタフェースから、分岐ロジックや時間ベースの意思決定ツリーをベースとした複雑なビジネスプロセスまで、ビジネスプロセスの自動化を支援するものだ。NetSuite内での構築とホスティングを前提としたカスタマイズツール「SuiteBuilder」、SOAP(Simple Object Access Protocol)ベースのWebサービス「SuiteTalk」、JavaScriptをベースに構築された「SuiteScript」の3つで構成される。ApexがオンデマンドCRMソリューション「Salesforce」とほかのソリューションを結び付けるものであるのに対し、SuiteFlexはNetSuiteのアドオンや付加機能の取り込むのに利用することで、ビジネスプロセス全体のカスタマイズや、NetSuite上で稼働するサードパーティーアプリケーションの開発を容易にするという。

 SuiteFlexは独自のプログラミング言語を必要としない。業界標準のJavaScriptとNetSuiteAPIを活用すれば、これまでオンデマンド・アプリケーションの弱点といわれていた、カスタマイズ性や拡張性に限界がなくなるほか、バージョン移行時のメンテナンスが不要になる(「月刊アイティセレクト」2月号のトレンドフォーカス「サーバー市場と異なる成長は当たり前 SaaS型ベンダーの思惑はどこに?」を再編集した)。

※本文の内容は、特に断りのない限り2006年12月現在のもの。

Copyright© 2010 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ