コルベ氏の基調講演の次に聞いたのは、ジョセフ・シペック氏の「Kernel Support for Stackable File Systems」だ。シペック氏は、スタッカブルなファイルシステムの概要を述べ、その仕組みを多少詳しく説明し、現在進行中の改善について語った。
このファイルシステムは本当のファイルシステムの上に被せて何らかの機能を追加するためのもので、「スタッカブル」と呼ばれているのは、このファイルシステムを幾つか積み重ねることができるからだ。
スタッカブルファイルシステムは、ファイルシステムをラップする仮想ファイルシステム層だ。シペック氏は、「スタッカブル」という命名の理由が分かるような例を数多く挙げた。例えば、本当のファイルシステムにデータを格納する際そのデータを暗号化するファイルシステム層ecryptfs、データを圧縮するファイルシステムgzipfs、複数のファイルシステムを結合するファイルシステムunionfs、デバッグの際本当のファイルシステムへのコールを置き換えるファイルシステムreplayfsなど。
初日の最後は、Intelが主催する毎年恒例のレセプションだ。上階の部屋で食べ物と飲み物付きで開催された。例年講演者を出してきたIntelだが、昨年同様、今年も講演はなく、同社の最新状況の一端を披露するだけだ。そう発表したIntelの社員は、OLSの長年にわたる活動に感謝した。そして、講演はなくても無料のアルコールはあるという話に、熱烈な賞賛がわき起こった。
Intelの展示品の中にZI9という面白い形をした機器があった。間もなく発表されるモバイルインターネット機器のプロトタイプで、大きさは横10センチ強、長さ15センチ強。わたしが見たときにはバッテリーが切れていたので見かけだけだが、Blackberryとタブレット型PCを合わせたものといったところか。
小さなキーボードと大きなモニターがついている。モニターは回転式で、使わないときはキーボードを覆う。また、最上部のピンには小型カメラがついている。明らかに、Linux用だ。
OLSの会期は6月30日まで。あした以降も続報をお届けする。
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