FacebookはOpenSocial Foundationに不参加。MSも独自路線か

Google、Yahoo!、MySpaceが立ち上げるOpenSocial推進団体に、SNS第2位のFacebookは参加しない意向だ。Microsoftはまだ態度を決めていないが、別の方向へ進むかもしれない。

» 2008年03月26日 11時31分 公開
[Clint Boulton,eWEEK]
eWEEK

 米FacebookがOpenSocial Foundationへの加盟を辞退した。多様なソーシャルネットワーキングサービス(SNS)に対応するアプリケーションの開発を目指す米Google、米Yahoo!、米MySpaceの取り組みにとっては痛手となる。

 「FacebookはMemcachedシステムの最大の貢献者として、長い間オープンソースイニシアチブを率い、支持してきたが、OpenSocial Foundationには参加しない」と同社の広報担当者は3月25日にeWEEKに語った。

 「当社は引き続き、Facebookのユーザー体験を改善しながら、30万人のFacebookプラットフォーム開発者に恩恵をもたらす提携の機会を検討していく」

 これでFacebookがOpenSocial仕様を支持しないことはほぼ確定した。同仕様の開発者らは、6800万人のユーザーを抱える第2位のSNSの支持を欠いたまま進んでいかなければならない。11月1日にGoogleのOpenSocial立ち上げを支援したMySpaceは約1億1000万人のユーザーを擁しているが、Facebookは世界中でMySpaceを上回るペースで成長している。

 Facebookに2億4000万ドルを投資して以来、同社と密接に協力してきたMicrosoftは、OpenSocialへの参加に関する決定はまだ下していない。

 「当社は常に業界団体への参加を検討しており、妥当な対話ができる機会を模索しているが、現時点では発表することはない」とWindows Live Platform担当ディレクター、ジョン・リチャーズ氏は電子メールによる声明文で述べている。

 Yahoo!の担当者はOpenSocial Foundationを発表する電話会見で、Microsoftが参加するなら歓迎すると語った。

 「オープンな仕様として、どんな大手企業の参加も歓迎するべきと思う。ほかの企業の参加も喜んで受け入れる」とYahoo!のプラットフォーム担当副社長ウェイド・チェンバース氏は語る。MicrosoftはYahoo!を約420億ドルで買収しようとしているところだ。

 しかしMicrosoftはLiveプラットフォームで別の方向へ進むかもしれない。この日同社は、ユーザーがFacebook、Bebo、Hi5、Tagged、LinkedInの間でコンタクト情報を移動できる「Windows Live Contact API」を発表した。

特許を振りかざさない

 Google、Yahoo!、MySpaceが開催したOpenSocial Foundationの記者会見では、幾つかの詳細が明らかにされた。

 JotSpot創設者で今はGoogleの製品管理ディレクターのジョー・クラウス氏は、Yahoo!、MySpace、Googleは、何者もOpenSocialに「不当な影響を及ぼさない」よう、特許権不行使の合意を交わしたと語った。

 理想としては、これで開発者はGoogleに妨害される心配をせずにOpenSocial仕様を実装できるという希望を持てるだろう。OpenSocial Foundationは設立後、公正な場を確保するためにすべての参加者から同様の合意を得るという。

 「開発者やコンテナパートナーは、OpenSocialは今後も自由であり続け、妨害されることもないと知って安心するはずだ」とクラウス氏は付け加えた。GoogleはOpenSocialの商標とOpenSocial.orgサイトをOpenSocial Foundationに寄贈するという。

 同氏はまた、OpenSocial仕様では収益化に関する方針を定めておらず、この仕様を採用するSNSはそれぞれ好きな方法で収益を上げ、開発者と売り上げを分配できると説明した。OpenSocial Foundationに入る売り上げは、仕様の普及促進に使われ、参加者には分配されない。

 Yahoo!のチェンバース氏は、Yahoo!サイトでどのようにOpenSocial APIを利用するかを明らかにしなかった。同社はFlickrやdel.icio.usなどのやや小規模なSNSを有しているが、SNSではMySpaceやFacebookのような大きな勢力は持っていない。

 MySpaceの製品戦略担当上級副社長スティーブ・ペアマン氏は、MySpace Developer Platform向けのOpenSocialアプリケーションは、玩具やウィジェットを超えて、MySpaceの本物の機能になりつつあると語った。ユーザーがMySpaceで使える便利なツールの例として、同氏は写真編集アプリケーションのPicnikを挙げた。

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