「Dr.Sum EA」への移行は、各システムのリプレースやOSのバージョンアップに合わせて行われた。それまでBIツール以外で処理していた帳票も順次、「Dr.Sum EA」に置き換えていくことにより、帳票の開発工数が軽減され、コスト削減につながった。
また、翌日までかかっていたデータ抽出も、導入後は十数分で完了。業務の効率も大幅に向上した。業務処理用DBに登録後はほぼリアルタイムでデータ処理ができるため、例えば入出金データなど、できるだけ早く確認をしたいという現場のニーズにも応えることができたという。
課題だった全社展開も進み、現在は150弱のユーザーが自分の欲しい帳票を作成して、PCの画面で利用できるようになった。情報開発室の黒木俊徳氏は語る。
「『Dr.Sum EA』はExcelを使ってデータ集計ができるので、ユーザーも気軽に使えるようです。おかげで紙の帳票も大幅に減りました。例えば配収システムではこれまで約80種類の紙帳票を作成していましたが、現在は必要最低限の16種類になっています」
ユーザーが自由に帳票を作成できる環境が整ったことで、データ活用に対する意識も変わり始めたという。
「以前は決まった帳票を見て確認するだけで、データを分析して戦略策定に活かすというところまで踏み込めていませんでした。しかし、今回の導入により、自分でデータを加工して活用するユーザーも増えてきた。今後は、本当の意味でのデータ活用が進んでいくはずです」と木村氏は大きな期待を寄せる。
ITmedia 導入の手順は?
木村 03年2月に京都撮影所で試験導入して満足のいく結果を得られたので、順次、展開していくことになりました。ちょうどWindows NTサーバのメーカーサポート終了の時期を迎えていたので、新OSへの対応に合わせて、従来のBIツールや各システムで作成していた帳票やデータ分析機能を、段階的に「Dr.Sum EA」に移行させました。
ITmedia 導入の効果は?
春原 ユーザーから見て大きいのは、データ抽出のために一晩待たずによくなったことや、PCでスムーズに処理できるようになったことでしょう。従来のBIツールを利用していたころと比べると、業務の効率化が大きく進んだはずです。
ITmedia システム部門から見ると?
黒木 各システムをリプレースするたびに帳票を開発する必要がありますが、「Dr.Sum EA」導入後は、システム側で用意しなければいけない帳票が最小限で済むように。リプレースの開発工数が減って、コスト削減になりました。
ITmedia 今後の予定は?
木村 現在、「映像資産管理システム」導入のプロジェクトを進行中です。これは弊社が製作してきた映像作品をデータベース化して、一次使用から二次使用まで、各種収益配分の自動計算と収支管理を行うシステム。このシステムも「Dr.Sum EA」を使って、データ活用を進めていくつもりです。
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