IntelとAMD、その決算と米国経済状況で見えるもの(2/2 ページ)

» 2008年04月15日 14時58分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK
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 IntelはAMDよりも全般的に健全な経営状態にあり、この半年間、着実に新製品を投入してきたが、問題も抱えている。

 同社は3月、NANDフラッシュメモリ事業の粗利益率が低下する見込みであり、これが同社の収支に響く可能性があることを明らかにした。現在、NAND/DRAM市場は全般的に供給過剰状態に陥っている。

 AMDの今期の売り上げ減少の一方で、OEM各社がそれを埋め合わせる形で、特にサーバ分野でIntelからの調達を増やし、同社の利益拡大に貢献したかという点にアナリストらの関心が集中している。そのような状況になっていない場合は、米国の景気の鈍化が続く中で、PCおよびサーバの市場全体が減速し始めたことを示していると言えそうだ。

 Intel幹部は3月に行われたアナリストとの会合で、現在、同社のビジネスは海外での売り上げの比重が大きいため、米国市場への依存度が低くなる見込みだと語った。

 Endpoint Technologies Associatesのアナリスト、ロジャー・ケイ氏によると、台湾から伝えられる最近のニュースは、通常の季節的な鈍化傾向にもかかわらず、1〜3月期のPC市場がかなり安定している状況を示しているようだ。このため、Intelが四半期決算予測を達成できる可能性があるという。

 市場が安定を維持している理由として、ノートPCに対する堅調な需要が引き続き市場を牽引していることが挙げられる。ケイ氏によると、もしそうだとすれば、景気減速の影響でPC市場の状況が悪化しているかどうかを見極めるには、4〜6月期以降まで待つ必要があるという。

 「現時点では、PC市場が当分、現状を維持するだけの需要は存在すると思う」とケイ氏は話す。

 「景気後退の段階に入れば、コンピュータ業界にもその影響が多少及ぶのは間違いないと思う。そうなった場合、4〜6月期にその傾向がはっきりしてくるだろう」(同氏)

 マカロン氏によると、Intelが1〜3月期の収支報告の際に新製品を発表する可能性は低いという。同社は4月初めに、中国で春のDeveloper Forumを開催したばかりだからだ。しかし、モバイルインターネットデバイスおよび低価格ノートPC向けの「Atom」チップラインの強化計画に関する発表があるかもしれない。

 「Intelは『Silverthorne』と『Diamondville』に関する詳細についても語るかもしれない。これらの製品がまだ本格的な生産段階に入っていないとしても、同社は極めて早い時期に生産態勢を整えるだろう」とマカロン氏は話す。

 「Intelはさらに、45nmプロセスのPenrynファミリー全般に関する最新ニュースを発表する可能性もある」(同氏)

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