OpenSocialはWeb上で普及が進み、プログラマーは同APIを利用して、ユーザーが複数のソーシャルネットワークサイトで利用できるアプリケーションを開発するだろう。
オープンソースプロジェクトのOpenSocialは、大規模なWebコミュニティーに引き継がれる形になったため、Googleに大きな金銭的利益をもたらすことはないが、より多くのユーザーをオンラインに呼び込むという同社の戦略と強く結び付いている。
Googleがよく言っているように、オンラインユーザーが増えるのは同社にとって良いことだ。Googleの広告を見るユーザーが増えるからだ。
しかしGoogleにとっては残念なことだが、1億人以上のユーザーを抱え、現在も拡大中のFacebookは今後も主要なソーシャルネットワークと見なされるだろう。Facebookはそのネットワーク上の広告から利益を確保すると予想される。
GoogleがMicrosoftなどの企業を検索広告市場から締め出したように、FacebookはGoogleなどの企業にソーシャル広告市場のシェアの多くを与えないだろう。一方Microsoftは、Facebookと提携しているおかげで、この分野で足掛かりを確保するかもしれない。
これに対してGoogleは、人気の高い動画共有サイトのYouTube上で何百万本もの広告を販売するという形でディスプレイ広告へのフォーカスを一段と強化する見込みだ。GoogleはYahoo!のディスプレイ広告ビジネスのシェアを奪い始めるだろう。あるいは、シェアを奪われるのは「Microhoo!」のディスプレイ広告ビジネスかもしれない。
Googleは好調な検索広告ビジネスでChrome、Android、Google Appsの基盤を構築した後、クラウドコンピューティングの信頼性とセキュリティの大幅な改善という追い風を受け、最も有力なWebアプリケーション企業になり、コンシューマーと企業にサービスを提供する。
Microsoftの終焉といううわさは結局、極度に誇張されたものだったことが明らかになる。だがWeb上でのMicrosoftのプレゼンスは、Googleと比べると依然として小さいままだ。Windowsは改良が続く。GoogleとメディアがWindowsを葬ろうとするが、同OSは依然として主要なデスクトップOSとしてとどまる。
MicrosoftのLive Meshは、コンシューマーの間で人気を得る。これらのユーザーの多くは、モバイルコンピューティングデバイスを通じてLive Meshを利用する。同社のオンプレミス(社内導入)型デスクトップソフトウェアビジネスはGoogle Appsの影響で落ち込むが、企業は依然として、Webベースのプロダクティビティアプリと伝統的なMicrosoftアプリの両方を利用しているだろう。
Microsoftが今日のデスクトップソフトウェア市場で85〜95%のシェアを持っているとすれば、10年後にはそれが60%程度になっているだろう。
しかし、これはあまり重要な意味を持たないかもしれない。2018年までには、BlackBerryやiPhone、Androidスマートフォンが大きく進歩し、コンシューマー分野および一部の企業でデスクトップとノートPCをリプレースするからだ。また、Windows Mobileの勢いが衰える一方で、PCの売り上げは減少する。
遠い将来に2008年を振り返ったとき、本格的なインターネットプレゼンスの構築を目指したMicrosoftの企てを、Googleが真剣に阻止し始めた年として見なされるだろう。一方、Facebookなどのサイトは、われわれにはまだ想像もつかないような方法でGoogleへの挑戦を開始するだろう。
1つだけ確実なことがある――この世界は仕事と遊びの両面でモバイル化するということだ。
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