ウィジェット市場が急成長 App Storeが口火に

App Storeの登場で有料ウィジェットのダウンロード数が増加し、国内におけるウィジェットの市場規模も拡大する。

» 2009年05月29日 16時48分 公開
[ITmedia]

 ウィジェットによる課金ビジネスの市場規模が2013年に514億円に達する――。調査会社シード・プランニングの調査でウィジェット市場が急成長することが明らかになった。「iPhoneアプリ」をダウンロードできるApp Storeの登場で有料ウィジェットのダウンロード数が伸びたことが要因だ。

 同社によると、ウィジェットによる課金ビジネスの市場規模を表した「コンテンツダウンロード市場」が急成長し、2008年における国内の同市場の規模は約126億円になる。その4分の3をスマートフォン向けのコンテンツが占め、すべてがApp Storeによる売り上げだという。

 その後も市場規模は拡大し、2013年には514億円になる見通し。App Storeの成功に伴い、スマートフォンのOSを提供しているグーグルやマイクロソフトがダウンロードストアの開設に動いていることも影響する。

「コンテンツダウンロード市場」の規模予測 「コンテンツダウンロード市場」の規模予測(出典:シード・プランニング)

 企業がウィジェットを作成する際に掛かる金額をまとめた「ウィジェット作成市場」は、50〜100億円の規模(2008年)になる。現在配布されている約1万3000種類のウィジェットの7割(約1万種類)を企業が作成している。企業に作成を委託すると50〜100万円が掛かると試算し、市場規模を割り出した。残りの3割(約3000種類)は個人が作成している。

 シード・プランニングは、App Storeがウィジェット市場の拡大に寄与しているとコメント。App Storeの開始から1カ月でiPhoneアプリのダウンロード数は6000万に達し、有料コンテンツの売り上げも3000万ドル(約30億円)に上った。「通常ウィジェットは無料で配布されていたが、ダウンロード販売の成功で大きなビジネスになることを証明した」(同社)

 ウィジェットに関連するビジネスを展開する企業にヒアリング調査を実施した。調査期間は2月10日から4月20日。調査対象の企業はアップルやマイクロソフト、グーグル、ヤフー、ミクシィ、NTTドコモ、ソニーなど23社。

PCのデスクトップに表示される時計やカレンダー、電卓などのコンテンツをウィジェットもしくはガジェットと呼ぶ。マイクロソフトやグーグルはガジェット、アップルやヤフーはウィジェット、スマートフォンや携帯電話では「アプリ」など、企業や端末によって使う名称が異なる。同調査ではこれらをまとめてウィジェットと呼んでいる。

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