IntelはWind Riverの買収で、スマートフォンや車載システムなど、PC以外の市場への参入に本腰を入れる。
米Intelは6月4日、組み込みOSメーカーの米Wind River Systemsの買収で合意に達したと発表した。取引はIntelがWind River株式を1株当たり11.50ドルの現金で買い取る形で行われ、買収総額は約8億8400万ドル。Wind Riverの取締役会は全会一致で買収を承認しており、取引はこの夏に完了する見通し。
Intelはこの買収により、従来のPC、サーバから組み込みシステムおよびモバイル端末市場への本格参入を図る。Wind RiverはIntelの完全子会社になり、顧客企業への製品やサービスの提供は継続する。
Wind Riverは独自OS「VxWorks」やLinux OS「Wind River Linux」で知られる組み込みOS大手。スマートフォン、インターネット端末、車載システムなどに向けた製品を顧客に提供している。同社の顧客にはMotorola、Verizon、ソニー、三菱、BMW、Boeing、NASAなどが名を連ねている。またIntelのほかARM、Freescale、Texas Instruments(TI)などとパートナー関係にある。
Wind Riverは1981年の設立で、15カ国以上に1600人以上の従業員を持つ。2008年の年間売上高は3億5970万ドルだった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.