IBM、最短で12日間で導入完了するDWHアプライアンスを発表導入してから考えるIT

IBMはDWHアプライアンス「IBM Smart Analytics System V1.0」を発表した。

» 2009年09月30日 17時39分 公開
[ITmedia]

スピード導入でビジネス要求に応える

 「IBM Smart Analytics System V1.0」(以下、Smart Analytics System)はデータベース管理やデータ統合、運用管理の自動化などを支援するDWH(データウェアハウス)構築に必要なミドルウェア、サーバ、ストレージで構成されており、最小構成ではユーザーの使用領域として2Tバイトの規模を想定し、基本導入から性能チューニング、高可用性設計、総合テストまでのサービスを含め、2億3000万円から提供する。

 日本アイ・ビー・エム(IBM)によると、ユーザーが必要とするデータ量での換算で、最小2Tバイトから最大200Tバイトまで6段階のラインアップを用意しており、具体的な製品構成としては、ハードウェアはIBM PowerSystems(IBM AIX搭載のUNIXサーバ)、ソフトウェアはInfoSphere Warehouse、CognosTivoliなどを利用している。ただしCognosはオプション扱いで別料金が必要とのことだ。

 IBMの下垣典弘ソフトウェア事業 Information Management事業部長は、今回のアプライアンスについて次のように語った。「日本のユーザー企業も、ビジネスでの課題を解決するITソリューションとしてBI(ビジネスインテリジェンス)への関心を高めている。現在、多くの企業では、明日の一手を決定するのに必要なデータは社内に蓄積しているものの、これを正しく取り扱い、正確な分析やアクションプランに結び付けるまでに至っていない。それは、ビジネスデータを統合して運用管理する体制が整っていないからだ。Smart Analytics Systemは散在する複数のDWHを統合し、ビジネスに役立つデータ活用を迅速に実現する」

 IBMによると、Smart Analytics Systemは最短12日間で導入できるという。これは、同製品がDWHに特化した作られ、最適なチューニングをあらかじめ設定していること、また従来個別案件ごとに担当者がシステムの総合テストを行っていたのを、IBMの工場で一括して行うなど、納期短縮の工夫をしていることから可能になった。

 「これまでは、BIシステムを作ろうとすると、まずはどんな製品構成をとるのか、どんな分析要求があるのか、などを勘案しつつ、チューニングやテストを重ねる必要があり、稼働までに多大な時間がかかっていた。Smart Analytics Systemでは、ユーザーは蓄積しているデータの総量を教えてくれればいい。IBMのこれまで培ってきたDWHの構築ノウハウによって、ユーザーにとっての想定最小構成で導入し、そこから最適なDWHを構築し、BIシステムを作り上げていくことができる」と下垣事業部長は話す。

 ラインアップされている最大容量を超える場合でも、別途対応するとのことで、国内では大企業向けに販売促進していくという。

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